母と姉が強い話
私は割と思ってることは口に出せない質である。
嫌だと思ったらある程度抵抗はするものの、抵抗の意味がなさそうならすぐ自分の意見を引っ込める。言い争いも面倒くさいし、何よりも嫌われたり疎まがれるのが怖いからだ(と思っていた)。
しかし、私の姉と母親は違う。
彼女たちは多分地球上でもトップクラスのメンタルの強さを誇っている。
自分が理不尽な目にあっていると少しでも感じたらすぐにそれ相応の対応をする。
まあ具体的には職場をやめたり上司に直談判したりラジバンダリだ。しかもかなり徹底的にやらなければ気が済まないタイプである。日本人は全員Noと言えない訳では無いのである、もはや彼女たちはNoしか言ってない。そろそろ怒られそう。
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私のアルバイトでのこと。
塾講師をしているのだが、ちょっと色々あって負担が大きくなってきたと感じ始め、レギュラーの生徒数を非受験生だけ減らして欲しいと社員の方に提案した。
すると、「…もっとしっかり考えてほしい」的なことを言われた。
…?
いや考えた。割と。
しかし社員さんは続ける。
「それは最善策とは言えない」「他の先生に助けてもらったらどうか」「案外しんどくないんじゃないかな」
う〜〜〜〜〜〜ん… そうかあ……???
いや、まああんまり塾内のことは言っちゃダメなので詳細は書けないが、普通にこのままなら受験生の授業の質を担保するのが無理な状況である。結構考えてから提案したんやけどなあ…。
そんな気持ちを飲み込みつつ「はあ…」とだけ答えてモヤモヤして帰路に着いた。
それを家で話してみた。慰められるつもりだった。
じゃあ、なんと。
怒られてしまった。
なぜ!?!?!?
(画像はその時の私)
姉と母親いわく、
「なんでも引き受けすぎやし、社員の人になんか言われた時もどうせええ顔してなんも言わんかったんやろ。そりゃあつけ込まれるわ。しっかりせえ。アホか。」
とのこと。めちゃくちゃ言われているがごもっともである。
さらに母は続ける。
「あんたはなんでも出来るっていつも言うしなんでもやってまうけどな、それは自分の価値を下げてるってことやで。」
「ちゃんと出来へんことは出来へん。無理です。って断らないと、なんでもやってくれる人になるし、そんなん誰も助けてくれへんで。」
まあ、うん。その通りなのでぐうの音も出なかった。
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何でもかんでも、やれることはやりたいと思う。
みんなが幸せならいいなあと思う。
あと、なんかこう上手く言えないが、自分が傷つけられるとか、自分が虐げられるとか、そういうことにすごく私は鈍感なのだ。
別に私がしんどいだけならいいかな〜と思ってしまう。
冒頭で私は思ってることを口に出すのが苦手だと書いたが、そのホントの理由は恐らくこれである。
別に自分が我慢すればいい。
今回も多分そういう私の鈍感さが出てしまったのかもしれない。
母と姉にあれだけ怒られていなければ、私は次の週にわざわざもう一度社員に話をしに行かなかっただろう。
あかんねやったら仕方ないかぁ〜とか思いつつ潰れてたんだと思う。アホである。
でも、母の言った通り、そのまま引き受けてしまったなら。自分が自分を大切しないだけでなく、他人が自分を大切にしなくても良いと認めていってしまうことになる。それはよろしくないだろう。
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自分を大切にすることが下手くそな私を怒ってくれた(姉にはどつかれた)2人には感謝である。
父親も多少怒ってたけど。
まだまだ母や姉のように強くなれそうにはないが、私も少しずつ自分の価値を下げる癖を直していきたいなあと思った。
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