神田 青

2020年12月12日、noteをはじめました。ペーペーですので温かく見守ってもらえたらうれしいです。 本との思い出や読書感想を主に書いていく予定です。 動物、グルメ、建築物なども好きなので、徐々に書く範囲や内容を深めていければと思っています。

神田 青

2020年12月12日、noteをはじめました。ペーペーですので温かく見守ってもらえたらうれしいです。 本との思い出や読書感想を主に書いていく予定です。 動物、グルメ、建築物なども好きなので、徐々に書く範囲や内容を深めていければと思っています。

最近の記事

ある意味正しく|短歌_10

串刺しを免れ良夜に端座して月見団子は王墓となれり 「◯◯の月」はどの街にもあって ある意味正しく月とも言えた 饅頭の天ぷら食ひたし 東京に生まれて故郷はないと知ること

    • おります|短歌_09

      リンドウのように私はそこにいて あなたに気づいてもらいたかった 借景のように眺めた人だった できればあのまま飾りたかった 「おります」のボタンを押した(私もう、ないものねだりと知っているので)

      • おかわりください|短歌_08

        そのままでいいと言ってよほととぎす 帰りたい日がわたしもあるの もし次にカカポに生まれ変わったら「知りません」て顔して生きるね 絶交鳥 できすぎた誤字を受け入れてどでかジョッキでおかわりください

        • あんなに青い|短歌_07

          手放せとどの占いも言ってきて これがわたしの煉獄なのに? 秘すれども花にはならず徒となり 離れた芝生があんなに青い わたしまだほんとうのこと言ってない それを最後の希望にしてる

          夏の残骸|短歌_06

          高らかに花を燃やして百日紅 すべて捧げて構わなかった 一生の恋と定めた この花もいつか褪せてはいくのだろう 向日葵の北限を見に行かないか まだこの夏に残っていたい

          夏の残骸|短歌_06

          祈りのようだ|短歌_05

          眼差しに力を与える黒を足す まるでそういう祈りのようだ どっちとも好きは成り立たない世界 妄想ばかりたくましくなる 後悔は3年使ってないリップ そのうちきっとまとめて捨てる 大切な恋なら女も思い出を別フォルダに保存するのよ? いつまでもネイルはきれいに塗れなくて ひかりあふれるゆびさきだった

          祈りのようだ|短歌_05

          異世界転生|短歌_04

          自由だと思うだろうか はじまりの町で預言の勇者になれば 剣よりは魔法を使える方がいい インドア派だし虫嫌いだし 悪役がいいと思った 好き勝手やり散らかして きみに会いたい ほんとうは あなたのための物語 もう何度目の『かがくの ちからって すげー!』 でもいつも道を聞かれる方だから いずれにしてもモブなのだろう

          異世界転生|短歌_04

          エンドロールは|短歌_03

          さみしいと聞けてよかった 少しくらい きみの特別みたいでよかった ひたひたと終わりのときは近づいて 答え合わせのような雑談 爪痕を残してみたい胸があり みたいだけだと飲み込んでいる 去り際も 去ったあとまで美しく スーパーマンのままでいたくて また来週みたいな別れ あっけないエンドロールは少しさみしい

          エンドロールは|短歌_03

          きみは文学|短歌_02

          文学で片付けてきた 社会ではいい子に擬態するしかなくて 言いたさと知られたくなさをかき混ぜて 沈めておくと歌になります わたしには確かに蜘蛛の糸だった 追い詰められたきみの誠実 もうあとは歌にするしかないものを ようやく抱え安堵している ミューズとは聞こえが良いが言うなれば 田山花袋のようなことです

          きみは文学|短歌_02

          飽食の恋|短歌_01

          満ち足りているからできる恋がある 映画のように遠く眺めて すみません、よろしくお願いいたします。 ただそれだけの何もない日々 それだけがよかったのだと知っていて 以後の世界を考えている 「めでたし」で自ら閉じた本があり 続きをそっと胸に生きてる ささやかなもしもを思い浮かべては 休みの街もきれいに歩く

          飽食の恋|短歌_01

          昔、少女漫画で感じた「報われなさ」と「希望」について|思い出図書 vol.10

          最近、TVCMで「セーラームーン」を見かけるようになった。 「セーラームーン」はわたしが小学生の頃に「なかよし」で連載をしていて、TVアニメも放映しており当時人気の少女漫画だった。 その頃我が家にあった(少なくともわたしが存在を認識していた)漫画は、劇画で濃ゆいタッチの「三国志」「水滸伝」と、塩タッチの「マンガ日本の歴史(縄文から現代までの19巻)」のみだった。おそらく父の趣味だと思う。 そこに母が買ってくれた「美少女戦士セーラームーン」が加わったのだと思うと、随分カオスな

          昔、少女漫画で感じた「報われなさ」と「希望」について|思い出図書 vol.10

          作者の思い、売る人の思い、受け取る自分の思い|思い出図書 vol.09

          わたしは昔から国語が得意であったし、国語の教員免許も取得したくらいなので「その時のA君の気持ちを答えよ」とか「作者の考えを書け」とかいう問題に対して、否定的な意見は持っていない。 ただし、どんな問題でも明確な目的意識を持って出題する必要があると思っている。 というよりも、何を知り何を考えてほしいのか、どんなことに想像力を働かせてほしいのかという願いを込めて、授業を組み立てテスト問題を作るべきなのだ。 大学4年になって教育実習へいく際、これらの問題の意義について考えた。 小癪

          作者の思い、売る人の思い、受け取る自分の思い|思い出図書 vol.09

          「つまらない長編を読ませたかった」!?|思い出図書 vol.08

          わたしは学生時代に文芸創作のゼミに属していたのだが、前期は教授指定の作品を読んでゼミ内で論考し、後期に各自執筆・講評、という構成になっていた。 大学3年の前期の授業で、教授が指定したのは田山 花袋の「田舎教師」だった。 「みんなが『つまらない』と思うような長編を読んでもらいたかったから」という選定理由に、ゼミ生は驚愕したものである。 ちなみに2年の時は韓国の私小説で、実際なかなか読みづらかった(翻訳がこなれてなかったのもあるし、80年代の韓国の状況・情景がよくわからなかっ

          「つまらない長編を読ませたかった」!?|思い出図書 vol.08

          なぜ「鼠の小説は優れている」と言ったのか|思い出図書 vol.07

          わたしは拗らせたところがあり、高校生くらいまで「ベストセラー作家というだけで読んでたまるか」みたいなことを割と本気で思っていた。 高3の夏に村上 春樹さんの「スプートニクの恋人」の書き出しを読んでからその考えは多少改まったのだが、それでも少ないバイト代から書籍代を捻出するとなると優先順位は「いま一番読みたいもの」になり、必然的に「読んでおいた方が良いもの」は後回しになる。 結局、わたしが村上 春樹さんの作品を読み始めたのは大学に入ってからだった。 デビュー作から順に読んで

          なぜ「鼠の小説は優れている」と言ったのか|思い出図書 vol.07

          自分のためだけに買ってくれた本|思い出図書 vol.06

          子どもの頃から身近に本があった。 家の中の本はどれも好きに読んでよく、学校の図書室や近くの図書館にも通い詰め、お菓子やおもちゃはそうそう買ってもらえなくても、本なら(文庫程度なら)喜んで買ってもらえた。3人兄妹で共有できるようなものが前提ではあったのだが。 また、母は英米文学が好きなひとなので、わたしにも最初は「大草原の小さな家」や「長靴下のピッピ」「ふたりのロッテ」などを買ってきた。 ただ、残念ながらわたしは英米文学というものに興味を示せなかった。風景や食べ物、そのほか日

          自分のためだけに買ってくれた本|思い出図書 vol.06

          過程の努力も認めていいんだと、教えてくれたH先輩へ|手紙部

          拝啓 最後に偶然お会いしてから、もう15年も経ちましたね。 あの頃、H先輩は社会人になりたてでした。幸せに過ごしていらっしゃればと思っています。 中学時代、わたしは色々と理由をつけて、部活には行っていませんでした。 本当はキラキラした青春とか部活とかに憧れていたのに、中学時代はそういうことの一切がうまくやれませんでした。 小学校6年生で引っ越して、クラスに馴染めなくて、やや陰湿ないじめもありました。 わたしは勝気な方なのでいじめなどには負けず、相手が男であれ女であれ、や

          過程の努力も認めていいんだと、教えてくれたH先輩へ|手紙部