犯人はどこにいる?
私の著作の感想ツイートをRTしたところ、このようなDMをいただきました。ちょっとピンと来なかったのですが、
このような内容もいただきまして、どうやら「プレイヤー内に犯人が居る」ということ自体がネタバレであるというお考えのようでした。
なるほどと理解はしつつ、ちょっと考えるところもあってこの件をツイートしたところ、想像以上に「犯人がプレイヤー内に居るという内容はネタバレである」という意見が散見され、これはなかなか危うい話なのではないかと思いnoteを書く事にしました。
前提として
前提として、今回の件は「私自身の著作についてのご意見である」ということをもう一度記しておきます。少なくともその作品については「自殺」や「事故」の可能性の示唆はしていません。然るに作者として「ネタバレではない」という判断のもと、発言をしています。
そして、もうひとつ、「そういうシナリオ(犯人がプレイヤー内に居ることがネタバレになる作品)もある」ということもツイートで明言しています。もちろん、自殺や事故の可能性を示唆し、そのような結末になるシナリオもあるでしょう。それを否定するものではありません。そのうえで、「それは当たり前ではない」というツイートをしました。
故に「自殺や事故の可能性を示唆している作品について、その可能性を潰すツイートをしていい」という意味ではありません。この点は踏まえて読み進めていただければ幸いです。
非常に危うい考え方(風潮)
上記前提を踏まえたうえで「作品がどうあれ、プレイヤー内に犯人が存在することを一律言うべきではない」と仰る方がもしいるのであれば……もし、その声が多いのであれば、非常に危うい風潮だと思います(そんなに多くないと信じておりますが……)
マーダーミステリーは対人コンテンツです。
「プレイヤーの中に犯人が居る」という前提で、非対称性のある情報を元に、秘匿性のある各人の目標やストーリーが絡み合うなかで敵(犯人)と味方を探り合いながら、ほのかな敵対と協力を繰り返しつつ事件を推理していく「混沌さ」にこのコンテンツの醍醐味があります。
「プレイヤーの中に犯人が居る」という前提が無ければ、ただの協力ゲームです。全員が情報を開示し、謎解きのような総力戦。プレイヤー動向で内容に揺らぎが発生することも無く、画一的な展開になるでしょう。推理はできるかもしれませんが、それだけでは新規性のないありきたりなコンテンツとなってしまいます。正直、マーダーミステリーと言っていいのか怪しいものです。
そして、「VS 犯人」の前提があるからこそ「自殺」あるいは「事故」という変化球が活きてきます。故に、シナリオとしてその可能性を否定しないシナリオについて犯人がプレイヤー内に居ることに言及することは勿論ネタバレですが、特にその可能性を示唆しないシナリオについて「犯人やりました!」という発言を止める理由もないわけです。「プレイヤーの中に犯人が居る事が当たり前」であることで、初めて別の可能性が活きるのですから。
私のツイートの意味するところは、コンテンツの性質上「自殺」や「事故」はあくまでイレギュラーであって、作品でその可能性を示しているのであれば、その内容はネタバレである(そういうシナリオはある)と理解する一方で、特に可能性を示唆していない作品や、自らがまだプレイしていない作品=内容を知らない作品にまで一律、「プレイヤー内に犯人が居ることをネタバレされた!」「そういうことは言うな!」と言うのは、些か過敏であり、健全なコンテンツ作りと、その拡散性を阻害してしまうのではないかと危惧しているということです。
「自殺」や「事故」でいいのか?
個人的には、「自殺」や「事故」という結末はありだとは思いますが、その結末でプレイヤーをどれだけ納得させられるか?と考えると、非常に自信のないところです。
ゲームとして考えると「犯人捜しが徒労に終わった」と受け取られてしまわれる可能性を拭えません。「犯人がNPCである」という結果も、プレイヤー間の疑心暗鬼が「茶番」となってしまわないか心配です。(2人用ならそうする他ないかとは思いますが)
「マーダーミステリーなんて全部茶番じゃないか」と言われればその通りかもしれませんが、きっとそうならないように、みなさん知恵を絞って作られているかと思います。自殺や事故でプレイヤーを納得させる作品は本当に凄いです。きっと、私には出来ません。
故に、プレイヤー内に犯人がいる作品を作り続けるかと思いますが、ご容赦いただければ嬉しいな……と思うと共に、ウチの作品を遊んだ方が「犯人やりましたー!」と言っても、怒らないであげてください。(犯人がどのキャラか分かっちゃうものは、もちろん対応します!)
駄文失礼しました。
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