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スタンダードシナリオはまだ必要?

久しぶりになってしまいました。こんにちは。
更新が止まるときは、忙しいときなのですが、忙しさにかまけて止まるのは良くないので、もうちょっとちゃんとがんばらないといけないですね……
ネタはあるのでがんばります(汗)

さて、今日はちょっとした杞憂もあり、でもそこに希望もあるとも言える、そんな話に……なったらいいなと思っています(自信はない)

加速する闇は難しい?

監修をさせていただいたマーダーミステリー「加速する闇」について、SNS上で「難しい」といった意見があり、それ自体は、簡単なシナリオではないことは自覚しているので、仕方ないのですが「無理」というニュアンスまであったので、これはどういうことなのか?と思案していました。

というのも、この作品は店舗公演も結構な数回っており、よくある意見が「ミッションが難しい」「世界観の理解が難しい」という内容で、あまり「ゲーム(犯人捜し)が難しい」という意見は聞いたことがなく、むしろその点については「簡単」と言われることが多々ありました。

ミッションや世界観が難しいというのは意図するところもあるので、「ごめんなさい」という感じなのですが、逆に犯人捜しについてはかなりシンプルにまとめたつもりです。それとは別に、今回の「無理」の原因のひとつに、ネタバレを回避できるか微妙なラインで書くと、この作品の持つギミックが難しいと感じられたのかな?と読み取れました。その結果、犯人捜しを含むゲーム全体が「難しい」「無理」となっている印象です。

「謎解き」という表現をされたのですが、これがなかなか難しい問題で、私自身、マーダーミステリーに謎解きを組み込むのは相性が悪いと考えているので、謎解き要素は入れたくありません。故に、今回、対象となるギミックも、実質謎解きとは考えておらず、文章読解の延長線上で解けるものとなっています。

しかし、これを「謎解き」と捉えられてしまう……ここにはどのような原因があるのか?をしばらく考えていました。

確かに多少パズル的な要素はあります。しかし、そのパズルは決して難しいパズルではないのです。(容易に推測できるギミックも盛り込まれています)つまり、パズルの構造は殆ど考える必要がなく、考えるべきは外にあります。それこそ「文章読解力」との勝負になります。

マーダーミステリーは「文章読解力ゲーム」

私は、王府百年の案内をする際、「このゲームは文章読解力ゲームです」と案内してきました。最近はあまりこの文句は使いませんが、決してゲームの性質が変わったわけではなく、平素なものとなったと判断してのことです。

しかし今回、「無理」と仰った方は20~30のマーダーミステリーを経験しているとのことで、そのうえで「難しい」とされるということは、文章読解の所作が最近のシナリオにあまりないのでは?と考えるようになりました。

「文章読解の所作がない」というのは、たとえばタイムラインを整理したら全容が分かってしまうとか、全員のカードがオープンされたら犯人が分かってしまうなど、情報の開示と整理だけで全てが分かってしまうシナリオが増えたのかなと思います。

要はそこに「推理」が無いわけです。

もちろん、ある程度の物証は必要です。ただ、私はその物証が全て出揃ったところで、推理・推測を挟まないと犯人に辿り着けないように作っている……つもりです。

「彼のこの言動の意味は?」「この行動の理由は?」「ここからこの物証が出て来るということは?」などなど、疑問を集約して解釈していき、真相に近づいていく。まさに文章読解力と情報結合力が問われます。

もちろん、この作りは難しいですし、私もどれだけ出来ているかは正直なところ自信はありません。重要なのは、やろうとしているかしていないかだと思っています。「難しいからやらない」「意識していない」「そもそもストーリーが良ければこの部分はいらない」となってはいないでしょうか?

そのようなシナリオの善し悪しはさておき、私のシナリオを「難しい」と感じる方は、個人的にはマーダーミステリーの必須要素だと考えている「文章読解力と情報結合力を問う」という要素が薄い、あるいは欠落したシナリオを多く経験されているのかなと思います。

個人的に「簡単」であると考えている

公演型は決してそうでもありませんが、ことパッケージ型に関して、個人目標が難しいもの、世界観が難しいものがあるとは認識していますが、真相解明が難しいものを作っている意識はあまりありません。

もちろん、いずれも「無理」なものを作っている意識は全くありません。

願わくは、ちょっと視点を変えて、もしくは立ち返っていただいて、よく文章を読んで色々な考えを巡らせていただけると嬉しいです。

今回のことは、とても勉強になっていて、かつ、最近私もいくつか販売していますが、ミニマムながらも、そういった要素を押さえて作っている(つもり)の「スタンダードな作りのマーダーミステリー」は、もしかしらたまだまだ必要なのかも?とも考えました。

もう少し「スタンダード」や「当たり前」といったシナリオも作り続けて行こうと思いました。全然、儲かりませんが(笑)

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