お誕生日の夜に見た夢

 全ての皮膚がキンタマの皮みたいな素材でできた悪魔が自分の体を指先で抓りながら笑ってる。
 バーテンダーさん曰く、わたしはこの悪魔と契約のためにオロナミンCみたいな酒を酌み交わさなきゃいけないみたい。
 よりによってこんな悪魔と契約しなくちゃいけないのか。笑ってるだけで話してくれないし、自分で自分をつねってて、へんてこだからやだな。
 夢は匂いがしないから助かった。

 肘から肩にかけて、虎さんがネズミを捕まえているタトゥーを入れようと思ってる。
 ともだちの彫り師さんと相談して、水墨画のような漫画のような、ちょうど真ん中のバランスの素晴らしい原画が出来上がる。たった10分で描いたとは思えない仕上がり。すごく美しいのに、漫画ライクなキャッチーさがすごく似合うと思った。早く彫って欲しかったんだけど、絵が素晴らしかったからみんな呼んで先に見せようと思った。
 うちで今一緒に暮らしている猫たちは、鼻から眉間にかけて白い毛が正三角形に生えていて、すごくかっこいいから、それを落とし込んだ虎にしようとして、色も重ねてもらった。嬉しかった。
 そこに母親が来て、絵をなじる。
 顔は思い出せないけど、ヒステリックに全てを否定する姿勢は母だったので、すごく嫌だった。
 持っていたスケボーで頭を割って殺した。
 皮膚がキンタマの皮でできた悪魔がそれを見て強く自分を抓って、笑っている。
 バーテンダーさん曰く、わたしはその悪魔と契約しなくちゃいけないみたい。
 隣で寝ていた恋人が起きたのでわたしはバーをあとにした。

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