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041 ねずみ
「ハムスターが好きなら、ねずみも好きなの?」
と、聞かれることがある。
これの答えは、うーん。困りますね。
ねずみの顔は、キュートだと思う。クリスマスの時期になれば、ねずみがモチーフのオーナメントを飾るし、絵本にねずみが出てくるとうれしくなる。
けれど、ねずみのしっぽ。あれは苦手だ。
ハツカネズミより小さいのは平気だけど、ラットの、ミミズみたいに太くて長い、うねうねとしたしっぽが、どうにも苦手。
本体から独立した存在感に、うす気味わるさを感じてしまう。
それに、繁華街のねずみは怖いし、衛生的とは言い難い。
まえに、渋谷駅の近くで、まるまると太ったねずみの集団を見かけたことがあるのだが、徒党を組んで駆け抜ける姿は、まさに茶色いギャング。
よく見たら、ねずみたちは、黒いサングラスをかけていたかもしれない。
小学校一年のとき、夏休み明けに、先生が「二年生の教室に子猫くらいのねずみがでて、絵の具セットを食い漁って大騒ぎだった」と、話したことがあった。
そのときは、大げさに話して、子供だましだなあと、バカにされた気分だったけど、渋谷のねずみを目撃して、先生の話は本当だったのかも、と今さら思った。
ギャングねずみは、絵の具だって平気で、ばりばりむしゃむしゃだろう。
そんなやつらが、街中で生ごみを漁り、そのへんをウロチョロしてると思うと……。
でも、自然のなかに暮らすねずみは、野良猫やリスなんかと変わらない気がする。
見出しの写真は、コロナ前にタイのアユタヤに行ったときのもの。
バンコクから一時間半くらいかけて、木の根が絡みついた仏頭や、全長が30m近くある巨大な涅槃仏を見に行った。
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どこの遺跡か忘れてしまったけど、石垣の上でねずみたちが、綱引きして遊んでいたので、思わずパチリ。
アユタヤのねずみは、都会のねずみとちがって、のびのびした雰囲気があった。
まちの厄介者というより、野生動物という感じ。表情もあって、ちょっとかわいく見える。
まあ、触りたいとは思わなかったけど。