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大人も楽しめるNHK子ども向け番組2選『アイラブみー』💛📺
こんばんは🌙SOGI研のレイです🐧
学生最後の夏休みも終了!!!(びえーーん涙)朝晩は日に日に秋の風を感じるようになってきました🍁🍂みなさんはどのような夏休みを過ごしましたか?
僕は毎日食い入るように見続けた朝ドラ『虎に翼』が無事放送終了し、まだまだ余韻を噛みしめたくて関連本をアマゾンで3冊購入しました。届くのが楽しみ!!🐯🪽
もうとにかく今、NHKがアツいのです!!先述した『虎に翼』をはじめ、大河ドラマ『光る君へ』でも、その時代を生きる女性たちの活躍にスポットライトが当てられています。藤式部(紫式部)が知性と筆を用いて、身分を超えて評価されていく、人々の関係性や時代を変えていく姿は本当に素敵なのです!!(オープニングも彼女の物語らしさが出ていてとても好き!)
他にもオランダのジェンダークリニックに密着したドキュメンタリーや、日本で生活する外国人労働者の声を届けるものなど、社会的マイノリティにフォーカスされた番組が時期を問わず放送されています。
そんな数ある素晴らしいNHK番組の中でも、今回は僕が夏休み中にハマった子ども向け番組2選のうちのひとつをご紹介します。
『アイラブみー』
今回ご紹介するのは、毎週水曜日に放送中の『アイラブみー』です。(タイトルも最高!)
この番組は、5歳の「みー」が、友達や家族との日常の中でのふとした疑問をきっかけに、空想や思考実験を繰り返しながら、自分自身や周囲の人々との関わり方を見つけていくアニメです。
1話10分ほどで気軽に観ることができ、何より登場するすべてのキャラクターの声を満島ひかりさんが演じていて、満島さんのさまざまな声を楽しむことができます。どのキャラクターも声や話し方が独特で、画面を観ながらついつい真似してしまいます。見た目も話し方も考え方も個性的なキャラクターがたくさん登場し、目も耳も頭も、心まで楽しめる!そんな作品です。
今回は、先週再放送された回「みーなのに みーのことがわからない」の内容をご紹介します。
「みーなのに みーのことがわからない」
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ムッシー(みーの友だち)と遊んでいた みー は、大好きな ''げじげじ'' を発見。興奮する みーに、ムッシーは「みーはかっこいいものが好きなんだな」と声をかけます。
みー:そう!みーはかっこいいものが好き!!
新幹線も好きだし、ヒーローも好きだし、お侍さんも大好き!
得意げに自分の好きな「かっこいいもの」を紹介する みーですが、そこに通りがかった にんぷさんの押すベビーカーの中に、プニュプニュほっぺの赤ちゃんを発見。
みー:あ、赤ちゃんだ! ほっぺプニュプニュ〜。
みーは、赤ちゃんのプニュプニュほっぺ、大好きなんだよね〜。
ムッシー:え?!みーはかっこいいものが好きなんじゃないの?
みー:そうだよ!
ムッシー:プニュプニュほっぺはかっこいいというか、かわいいだよね?
みー:たしかに。
ムッシー:みーはかっこいいのが好きなの?かわいいのが好きなの?!
みー:うーーーーーーーーん。みーは、どっちが好きなんだ? みーはみーなのに、みーのことがわからないよー!!
「かっこいいもの」が好きなはずなのに、「かわいいもの」も好きなことをムッシーに指摘され、自分のことがわからなくなってしまった みー。それから みーは、自分の好きなものたちを電車に乗せ、それぞれどこが好きなのか調べてみることにしました。
《 みー の好きなものリスト 》
げじげじ➡️かっこいい
赤ちゃんのプニュプニュほっぺ➡️かわいい
踏み台➡️ちょっとたかい
バスの「とまります」ボタン➡️おせたとき さいこう
イクラ➡️おいしくて とくべつ
友だちと走り回る➡️とにかく たのしい
すべり台の上からひとりで見る夕日➡️ひとりでみるのがいい
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自分の好きなものたちの特徴を考えてみると、「かっこいい」が好きなのに「かわいい」も好き、「友だちとワイワイ」も好きだけど「一人で過ごす静かな時間」も好きなど、相反するものも存在することに気づきます。「我ながらめちゃくちゃだ」となった みーが出会ったのは、長いシルクハットをかぶり、赤のシャツに青のズボン、へんてこなサングラスを身につけ、竹馬に乗ったおじさんでした。
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普段はピンクのお家でピンクの家具たちに囲まれて生活している、ピンクが大好きなおじさんですが、実は赤も青も好きということを知り、みー は驚きます。
みー:みーの好きなものが集まったけど…我ながらめちゃくちゃだ。 こんなめちゃくちゃでいいのかな?
おじさん:そう!人は色んな好きが集まってできてるのさ! 好きなものも理由もバラバラだけど、ぜーんぶひっくるめて、その人なんだよ!
みー:そうか! みーの電車にもいろんな好きなものが乗ってるけど、これでいいんだね!
人間の好みをはじめ、性格や考え方には多面性があり、環境や成長に応じて変化することもあります(もちろん、ずっと変わらないものもあります)。時に矛盾した気持ちを抱いていても、必ずしもそれがおかしいこと、良くないこととは限らない。それだけ人間は複雑な生き物で、その時その時の自分の気持ちや相手の気持ちを大事にすべきだということを教えてくれるお話でした。
「人間『どちらかふたつにひとつ』なんてことはない」という考え方はとても重要です。「どちらか片方だけだ!」、「矛盾があってはならないんだ!」という考え方は、必ずどこかで「こうあるべき」、「こうでないといけない」に繋がります。ふたつにひとつを求めるのは、ある種の人間を単純化して管理したい人々が、自分たちを正当化するためによく使うお決まり文句なのです。
ばんぐみの、すきなところ
この話を観た時、すぐに自分の好きなものを書きだしてみたくなりました!意外と自分の好きなものを聞かれても、ぱっと答えられないということは多いのではないでしょうか。例えば僕は、好きな映画や本、食べ物を聞かれたとき、つい相手が求めている、''ちょうどよい答え'' を先に考えてしまうことがあります。(悪いことではないけどね)
僕の部屋でこの回を一緒に観てくれた友人も、「帰ったら好きなものをノートに書きだしてみる!」と言っていました。観たらすぐに「自分はどうだろう・・・?」と考え、実践したくなるのもこの番組のポイントかもしれません。
また、みー をはじめとする子どもたちはあまり性差を感じさせません。例えば、恐竜好きの友だちの部屋にはハートのモチーフがちりばめられていたり、まつげのあるキャラクターのTシャツに虫の絵がプリントされていたりと、よくある男の子・女の子のイメージがごちゃまぜになっています。
声も同じく、ふわふわした声、どっしりした声、ゆったりした声など特徴は多種多様ですが、すべてベースは満島さんの声なので、あまり性差を気にすることはありません。それより語尾やイントネーションが独特すぎてクセになります。
Youtubeに挙がっていた2022年のGOOD DESIGN AWARDのプレゼン動画でも、キャラクターや声のデザインへのこだわりについてお話されていました。
どのキャラクターからも性別を喚起させない物語があれば良いなあといつも考えていたので、こんなに素敵な、しかも子ども向けの、しかもNHKの番組があったとは驚きでした。もうすでに制作終了している番組かと思われますが、クィアなお友だちがたくさん出てきたりしても楽しいだろうなあと思います。
また、キャラクターの魅力だけでなく、物語も毎回素晴らしいものばかりです。友だちに体を触られて少し嫌な気持ちになった話、大好きな友だちからの一言にモヤッとした話、年上だから我慢してしまう話など、大人になっても対処が難しく感じるようなテーマが多く取り上げられています。
解決方法が常に大人からの助言ではなく、自らの空想や思考実験を重ねた上での結論であることが多いので、自分の力を信じて考えてみることの大切さ、素晴らしさも教えてくれます。宝物になるようなストーリーばかりです。
放送終了後はNHK+で見逃し配信されますので、ぜひぜひ勉強やお仕事の息抜きに観てみてください!最初は誰しも みーたちの話し方にぎょええ~~~🙄🤣🎉となるでしょうが、視聴後はつい にやけてしまうこと間違いなしの作品です🌟