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『私がやりました』

またストレンジャーな映画を観てしまいました。
監督:フランソワ・オゾン
主演: ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール
公式サイト:https://gaga.ne.jp/my-crime/

以下はこの映画の感想です。


1930年代のフランス。売れない女優と案件の無い女性弁護士が貧乏生活をともにしていた。女優のほうは必死で役を得ようとプロデューサーに交渉するも、愛人契約を迫られる始末。嫌になってプロデューサー宅を飛び出して帰ってきてしまう。
そんななか、プロデューサーが殺されてしまう。しかもプロデューサー宅を飛び出してきてしまった日に、だ。殺人事件の勃発である。と書くと何やら物騒な話だが、これはコメディである。基本的にお笑い、馬鹿馬鹿しい話と受け取って差し支えない。
誰が犯人なのか。警察はろくな証拠もなしに売れない女優が犯人だと断定してしまう。判事もそれを真に受ける。本当に馬鹿馬鹿しい話なのだが、警察も判事も、全員男性なのだ。
男性がでっち上げる事件に対して二人の女性は演技で対抗していく。自分たちが犯人だと名乗りを挙げて、裁判という舞台へと足を踏み入れていく。

このドラマは三本立てのお話だ。三本のうち二本は
事件、フェミニズム
で、この二つが物語の大きな主軸だ。
事件は上にも書いた通り、コメディ中心で進む。完全に馬鹿話とまではいかないが、優しい南仏のイカした建築家の親父が出てきたり、事件のちょっとしたサスペンス性を優しく撫でつけてくれて、観客をホッと安心させる設計がなされている。

三本立てと書いて二本は示したけれど、残りの一本は何か。それは同性愛だ。貧乏生活からともに歩んできた女優を見る弁護士の熱い視線。ぜひ映画で確認してほしい。

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