特殊詐欺の防止方策

最近、特殊詐欺の被害者の高齢者にインタビュする機会がありました。一般人になってからは犯罪被害者と話す機会は当然減ってしまいましたが、実際に話をすると捜査員感覚が蘇ってきました。

しかしながら、特殊詐欺、許せない犯罪です。高齢者(だけではありませんが)苦労して蓄えた財産を根こそぎ騙し取る訳ですから、窃盗以上に被害者のショックは計り知れないものがあります。また、騙されたことに気づかない被害者も多く、潜在被害者を含めると警察の認知件数の10倍以上はあるのではないかと推測されます。

では、この特殊詐欺、どうすれば防げるのでしょうか。個人が気を付ける、、金融機関やコンビニが防犯活動をする、、いろいろあるでしょうが、根本解決にはなりません。悪知恵の働く若者が大勢で一人のターゲットを狙う訳ですから正常な人間でも騙されてしまいます。ましてや認知機能が低下した高齢者だと、簡単に騙されてしまうでしょう。

しかし、解決策はあります。その方法は囮捜査です。日本では囮捜査は基本的には犯罪を惹起させてしまうため禁止されています。また、囮捜査を合法化するためには刑事訴訟法や犯罪捜査規範等の改正が必要となります。これは政治的にかなりの大仕事になってしまい改正には長い時間が必要になるでしょう。また、囮捜査を合法化すれば捜査員の危険性は大幅に高くなり、殉職事案や受傷事案が多くなるのは海外の例からも明らかです。

しかし、特殊詐欺を放置すれば、それだけ不幸な国民が増えるのですから、特殊詐欺に特化した特殊詐欺措置法を制定し、または政令などで条件付きで囮捜査を合法化できないものかと考えます。実際には被害者からの申告で「騙されたふり作戦」のようなことは実施していますが、もう一歩踏み込んだ捜査員が被害者となり捜査を進める。または闇バイトに応募して組織の一員となり、組織を解明する等、手法はあると思います。また、このような手法に長けている公安警察や公安調査庁も巻き込んで行けば、相当な成果が上がるものと思います。いかがなものでしょうか。

いいなと思ったら応援しよう!