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人流って言葉が大キライ

人流って言葉が嫌いです。

何だよ人流って!そんな言葉ねーよ!せめて「人の流れ」って言えよ!
って思っちゃう。

人間ひとりひとりの暮し、生活、行動、全部ひとまとめにして塊としてとらえる言葉。それが「人流」。「人流を抑制することが大切です」。はあ?

もちろん他の人との接触を避け、なるべく距離を取った方が感染抑制につながるって事は分かりますよ。でも、みんな一人一人、行動しなければならない理由があって、それぞれが意志を持って移動をしてる。けっして流れてる訳でも流されてる訳でもない。それをひとくくりに「人流」って。

そう思ってたら今度は小池都知事がこんな事を言い出したよ。

「豪雨の被害も新型コロナの被害も同じ災害だということ。雨粒が重なって水流になるのと、一人一人の行動が重なって人流が増えるのと、結果として病床がふさがって、救える命も救えなくなる恐れ、これが、今起こっている」

とうとう人間を雨粒にたとえちゃったよ。

雨粒が集まって災害を引き起こすんだってさ。人が、人間が、災害の元なんだってさ。

その発想が怖いよ。ジブリ映画「天空の城ラピュタ」に出てくるムスカ大佐の言葉を思い出しちゃったよ。「見ろ!人がゴミのようだ!」。

もっと怖いのは、人を雨粒にたとえるコメント、たぶん考えたのは小池都知事じゃないよね。「何かいい表現ないかしら。『密です』みたいな、何かキャッチーなやつ考えてよ」って言われたブレーンたちが「こんなのどうですか?」って出して来たやつだよね。想像だけど。

周りのやつらも同じように思ってるって事だよね。怖い。

そのうち、人をアリに例え出すぞ。こいつら。

「若者がアリみたいに群がって密になってます。アリだけにミツが好きですね」

上手くない!全然上手くないからな!

…ちょっと上手いかな。いや上手くない!

朝散歩してると、公園でラジオ体操してる人たちに出会います。

一生懸命自粛して、外に出る回数を減らし、人と会う機会も奪われた人たちが、「あー、皆んな同じように耐えてるんだなー」って確認するための集い。「今日も無事に生きてましたか」。一日一度の生存確認。

そこに集まる人たちは決して「人流」じゃない。雨粒やアリなんかじゃない。一人一人、一つ一つの大切な命なんだって事を忘れないでください。

偉い政治家の皆さまへ。



金谷ヒデユキ

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