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「路~台湾エクスプレス」をご覧いただきたい理由

「路(ルウ)」とは

5月16日(土)午後9時から、3週連続で日台共同制作ドラマ「路(ルウ)台湾エクスプレス」が放送されます。原作は、2012年に出版された吉田修一著「路(ルウ)」です。

初めて吉田修一氏の作品を読んだのは「悪人」という犯罪小説で、導かれるように犯罪に突き進んでいく人間のどうしようなさを、批判するのでも箔淡々と紡いで、最後に読むものに大きな衝撃を与えてくれる物語だと、非常に印象深かったのです。
その吉田氏が、台湾を舞台に小説を書いた!それも、私の大好きな700系新幹線をベースとしている台湾新幹線の話なので、発売と同時に手に入れました。

別々の人生が一か所に収斂していくのだけれども、その過程で台湾の風土と人々の温かさ、日本との関係が描かれていて、忘れられない作品でした。
でも、まさか映像化されると思っていなかったのです。
でも、考えてみれば作品から立ち上るような台湾の匂いや町の佇まいも、映像でならばもっと伝わりやすいのではないかと思うのです。
NHKのみなさんありがとうございます!!

台湾の日本世代

2001年、初めて台湾に行った時、地下鉄で出会った風景が忘れられません。
地下鉄に一人のお婆さんが乗ってこられました。すると、座席に座っていた若者数名がサッと立ち上がって席を譲ろうとします。
台湾の公共機関ではよくみられる情景なのですが、その時はちょっと違いました。
そのお婆さんが、日本語で
「すぐ降りるからええよ、座ってなさい!」
と声を上げたのです。若い子は意味が分からず当惑していましたが、だいたい分かったみたいで、また、席に着きました。
その後、11回の台湾訪問、いろんなところに訪問しましたが、日本からの旅行者(だいたい見た目でわかるようです)と、高齢者から声をかけられたり、うまく言葉が伝わらないとやっぱりお年寄りを呼んできてくれて通訳してくれたり、とかいう状況でした。
日本統治時代の教育を受けた世代がまだまだ元気です。
そうなると、日本と台湾との関係について考えることが多くなります。

台湾と日本の関係

台湾は日本の植民地でした。
日清戦争後、日本は清から台湾を譲り受けます。一部、台湾として独立しようという勢力もありましたが、すぐに日本軍に負けて大陸に逃れます。
併合された朝鮮と異なり、それまで台湾は一つの国として統一されたことがなかったのです。大陸から渡った人たちと、先住民族(言語もバラバラ)が混在していたのです。
そこで、日本は台湾の標準語として日本語を導入しました。
第二次世界大戦で敗戦するまでの50年間、台湾は日本の一部でした。日本が多民族国家になる可能性があったのです。
例えば、台南にある嘉義農林学校は日本人、漢人、原住民のチームで台湾代表として甲子園に出場し、準優勝したこともあります。

実話を基にした映画「KANO」も野球映画として名作だと思います。機会があればぜひ!

台湾に残る日本

旅行するとわかるのですが、日本統治時代の面影も町のそこかしこに残されています。
改修されて、一般に公開されている施設がたくさんあり、変わったところでは、当時の刑務所施設が資料館になっていてます。
私も行ってみましたが、日本ではすでになくなってしまった監獄様式を実物で見ることができます。
ね、行ってみたいでしょ。
あと、神様になってる日本人が何人もいます。
日本人巡査・小林三武郎 杉浦茂峰海軍少尉 警察部隊廣枝音右衛門隊長等々。
日本の軍艦も神様になってます。

観光地でもなんでもなくて、地元の人たちの神社なのですが、日本から来たというと、なんだか無茶苦茶歓迎されてお土産いっぱいもらいました。
そんな訳で、台湾は楽しいです。台湾大好き!
ぜひ、NHK土曜ドラマ「路~台湾エクスプレス」見てください!お勧めします。

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金谷どうはん
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