アイドル現場の応援スタイル
アイドルの現場におけるオタクの応援スタイルは十人十色というか、様々なスタイルがあるが、ある程度カテゴリー分けすることはできると思う。中にはどのカテゴリーにも属さない孤高のスタイルもあるかもしれない。
フリコピ、推しジャン、マサイ、オタ芸、MIX、地蔵、…。
そして度々繰り返される、○○やめろや!論争。多くの人が迷惑と考えているであろう(?)マサイに対してだったら、「マサイやめろや!」と言っても賛同者は多いと思われるが、世の中にはマサイ擁護派も案外存在したりもする。まあ私もその気持ちが全く分からないというわけではないが、多人数が集まる場においてマサイはマナー違反よね、一般的には。せめてそれくらいは共通認識としてあって欲しい。マサイをするにしても、自分がマナー違反を犯して跳んでいるという自覚は最低限持って欲しいというか。
「気持ちが高まったタイミングで跳んで何が悪い!」いや、目の前にいるアナタに跳ばれると私の視界が無くなるんですが。挙げ句の果てには、だったら俺より高く跳べ!などと言い出す始末。
ハロープロジェクト主催の現場では、過度なジャンプ行為禁止、そしてジャンプ行為自体が禁止されましたよね。結局は厳しい方向に動いて行きますわな。過度なジャンプ行為って、人によって解釈が異なるし、過度じゃなければ跳んでもOKということですしね。明文化する以上は結局厳しい方向になってしまいます。その辺、節度を以て大人の対応をして緩く運用するのが幸せだと思うんだけど、なかなかそうも行かない。
ここまでの話なら、界隈で良く聞く話だし、多数派・常識派に乗っかって「マサイは滅びろ、バーカ」で済ませておけば何てことは無い。のだが、現場における応援スタイル、参戦スタイルと言ったものは、なかなかに微妙なところがありまして。
例:曲終わりの拍手を入れるタイミング
個人的にはアウトロが終わって最後の音が聞こえなくなったタイミングで拍手を入れるべきと考えているが、一般的にはアウトロの途中でも終わりが見えているタイミングで拍手をする人が多いし、時にはヴォーカルが歌い終わったら拍手する人もいる。
この辺は個人的な好みによるし、いち早く拍手を入れたいという先走る気持ちも分からなくもない。最後の音の余韻を味わいたい曲の場合などは、それに被せて拍手を入れられると残念な気持ちになるが、我慢できないほどではない。が、もう少し拍手するのを溜められないかなあと感じることがある。
例:歌の一番が終わったら入れる拍手
ヴォーカルメインの曲で、一番(のサビ)が終わったら拍手、二番が終わったら拍手、大サビ落ちサビが終わっても拍手。これは流石にキレそうなったし、キレはしなかったが相当に鑑賞を阻害されたと感じた。(おそらく、その拍手しまくった人たちは酒に酔っていたし、明らかに音楽のライブに慣れているようにも見えなかった。)そのライブはヴォーカルにキーボードとギターの生演奏というスタイルだったんだけど、歌パートが終わっても間奏を演奏している演者がいるわけで、その方々の演奏が聞こえないくらいバカでかい拍手をされたんじゃ、曲を鑑賞するも何もないのよ。
例:コール・MIX
そのグループ/現場によりけり。なんかお手本通りに入れてみましたってところから、自分たちでアレンジしまくって楽しんでいるところまで見てきてるけど、そこは郷に入らば従え的な感じです。
MIXを入れる人たちもなるべくヴォーカルに被らないようにとか気を遣ってくれていることが多いし、演奏が聞こえないほど馬鹿でかい大きさでMIXが入ることもないので、一般論として言えば私的にはさほど気にはならないです。
ただ、この曲にMIXはちょっと合わなくない?とか、単に無理やりMIX入れようとしてるだけじゃない?と感じたこともある。とりあえず声出ししておかないと盛り上がっていないという風に思ってしまう人がいるのかしらんが、そういう場合はMIX入れる人も少ない=声量も小さいので、言うほど気にすることでもない。
我慢と我慢(loose X loose)
オタク/客同士がWin X Win(ウィン・ウィン)であるのが理想形だけど、以前からアイドルの現場は、オタク同士が我慢、譲り合うルーズ・ルーズの関係性だと思っている。極端なことを言えば、自分の前に他の人が立っているだけで視界の邪魔だし、隣や後ろにいても自分のスペースを奪われるし、声援が被るし、レスをもらう機会も取り合いになるし…。
それじゃあ、観客が自分一人で良いのかというと、それはそれで違う。なるべく大人数で盛り上がってこそステージも楽しいわけで、その盛り上がりには自分以外の多くの他者が必要である。
応援のルール、とまではいかないにしても、最低限の常識や暗黙の了解みたいなものはあるべきだし、その場その場に合った応援スタイルが自然に形成されることが良い現場なんだろうと思う。
空気を読み過ぎてもつまらないけど、ある程度の様式やお約束は必要ってこと。そして時にはそうした殻を破るようなハプニングがあっても良い。応援する側においても、そのステージを構成する一因であることを自覚しつつ、愉しい現場を作り上げて行く大人の感性を持ちたい。
などと、「一番が終わったら入れる拍手」で例に挙げたステージを見た後に思ったのでした。