優しいヒグマ
俺「デビットさん。よろしくお願いします。」
デビット「んん?よろしくねぇ」
あれ?思いの外、
デビットさんは
優しいヒグマさんだった。
さっきまでの威圧感は一切感じない。
あれ?実はいい人なのかな?
「ん、あげる」
煎餅だった。歓迎の煎餅一枚を俺はデビットからもらった。
「わっ激辛唐辛子煎餅だぁ。ありがとうございます。これまじ好きなんですぅ」
俺は大袈裟に喜んで見せた。
煎餅をくれるなんてデビさん優しい。
人間捨てたもんじゃないなと俺は猛省した。
さて
俺の社内営業に気をよくしたデビットは館内を「館内を鈴木に案内させよう」と突如言い出した。
デビットは
「鈴木に案内させよう。」と言い出した。
鈴木とはデビットのパワハラ被害者である若造のことだ。
(いやいや、鈴木はいま見積もりを必死こいて作っている最中だろ?別の人間呼べよ)
と俺はおもった
デビットがガラケーを取り出した。
「鈴木、なにやってんだよ。ん?見積もり?お前あれの期日いつまでか知ってんのかよぉぉ。いまやる必要あるのかよ?点検いくよ〜」
ものすごい怒気だ。
デビットは典型的なアスペルガー上司である
コミュニケーションが不得手だ。
俺にいきなり激辛煎餅を渡すし若造に暴力をふるう。怒鳴る。恐らくこれはデビットなりの距離のつめ方なのだ。よく言えば愛情表現なのだ。
これは天賦なのだ。
まさに純粋なる悪だった。
断っておくがデビットは鈴木に見積もりのどこをダメか教えてないし期日も伝えてない。
ただただ、ダメ出しだ。「俺を感じ取れ」といふタイプなのだ。感じとれない鈴木に大声を張り上げて叱りつけるだけなのだ。
やばい。やばすぎる。
恐怖に怯えた部下は質問なんて出来る状況にない。支離滅裂だ。
こんなヤバいのが出世してしまう会社。。
ヤバくない??
俺は色々考えさせられた。
デビット「鈴木遅いなぁ あぁーもう」
デビットがイライラし始めだした。
俺「鈴木ぃぃ、早く来てくれ〜」と心の中で願った。