アメリカの美大を卒業した感想

私はアメリカの美大を2011年に卒業した訳ですが、ざっくりとアメリカの美大について書いてみたいと思います。

・ 学費と言うか、全てが高い
・ 眠れないのは本当
・ 卒業が難しい

学費と言うか、全てが高い

まずこれは日本の私立美大ももちろんお安くはないですが、アメリカの私立美大に行こうと思うと1年で学費だけで350万円くらいから500万円はかかると思われます。私はもう10年程前に卒業したので今より多少は安かったと思いますが、それでも400万弱程していた記憶があります。それプラス生活費に画材費何ですが、生活費は主要都市ではなかったので、月々20万円前後くらいだったかなと思います。(うろ覚え)あとは画材費はとにかくかかります。私はグラフィックデザイン学科だったのでポスターでもパンフレットでもいちいち作る度にテスト印刷をして、最終的な印刷をして、と一つの課題でも間違いなく1、2万円くらいはかかっていたと思います。

眠れないのは本当

本当に寝る時間はありませんでした。これは別に卒業制作期間とかでは全くなく、入ってすぐ1年生の授業の課題でもう徹夜を数回しました。そして辛いところが、最初ダラダラしていて最後に徹夜、とかではなくて、最初から結構ちゃんと宿題や課題もやっているのに時間が足りずに徹夜、と言う感じです。何度泣きながら徹夜で課題をやったか数知れず、です。私は偏見ですが、正直アメリカ人と言うのは楽天家で、あんまり一生懸命やるイメージがなかったので(汗)意外とみんな頑張っていて驚きました。あとは、これは多分、アメリカに限らず美大ではよくあることなのでしょうが、本当に才能のある同い年の人間と言うのを初めて目にし、心から驚きました。「はー同い年なのにこんなに上手い人がいるのか・・・」と本当に衝撃でした。

卒業は難しい

アメリカの大学は入学するのは簡単だけど、卒業するのは難しい、と言いますが、これは本当です。うちの美大は確か入学率50%前後だったはずですが、前もってポートフォリオがない人でも入学できている子達はいました。(私はポートフォリオを前もって製作してからの入学でした)授業が難しいのは上の宿題の多さや求められる提出課題のクオリティの高さからもあるのですが。うちの大学は基本、3回講義を休むとA,B,C段階の評価で自動的に一つ落とされ、4回講義を休むとD(落第)です。そしてそもそもCをもらった時点で専攻科目のGPAが下がってしまうので、危険です。と言うのも、専攻科目のGPAは平均B以下だと専攻学科から追い出されるのです。(怖すぎる)アメリカ映画の学生生活を見て「わあ!」となってアメリカの美大に決めた訳ですが、ブートキャンプ並みの4年間で正直ボッロボロでした(笑)ただ好きなことに一生懸命集中できる期間があったのは充実していたし、やはり好きなことなので、楽しかったです。そして入学時大したことなかった私のデザイン力も卒業時にはアメリカの割とトップクラスの企業や会社でも見てもらえるほどに成長しました。ただグラフィックデザイン学科の同期は、卒業制作のクラスの際には入学時より3分の1、下手したら4分の1くらいに減っていました。厳しすぎてリタイヤした人、成績が持たなかった人、そして金銭的に続けて行くのが難しかった人、色々な理由で卒業をできなかった人が大勢いました。

これだけ書きましたが、私はアメリカの美大に行って本当によかったと思っています。想像以上に厳しく、苦しい時期もありましたが、あんなにスパルタに技術を磨いてくれる学校はそうそうないのではないかと思います。そしてこの実現をサポートし続けてくれた家族にも感謝です。私は学部こそ自費(と言うか親からの援助)で行きましたが、大学院はほぼ自費で行きました。そして少し返済不要のスカラシップを大学院から貰うことが出来ました。私は大学も無事、Honorsを貰い卒業することが出来たので、学部で成績が優秀だった人に貰えるものを頂けました。あの時、頑張っといて良かった〜と大学院受験時に思いました(笑)近々、大学院受験の話も書きます。

読んでいただきありがとうございます。

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