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32歳になっても私が結婚しない理由
おととい、母方の祖母から電話があった。
げげっ…と思って一度は無視したけれど、
無視したところでまたかかってくるか、
私の知らないところで「うちの孫は電話にも出ない!」と嫌味を言われるだけだ。
死ぬほど嫌だったけれど、無視した方がもっと面倒なので仕方なく折り返す。
祖母「あんたまだ寝ちょったんかえ?」
私「いいや、病院に行っちょったんよ」
祖母「え?どっか悪りいんかえ?」
私「ちょっと頭痛があるけんな。かくかくしかじか…」
私はこの祖母からの電話が苦手だ。
祖母「で?あんた彼氏はまだできんのかえ?」
出た…
これが私が祖母と電話をしたくない最大の理由だ。
大体彼氏できたかなんて、土曜日の朝8時に電話してきて聞くことじゃないだろう。
私「ハハハ…できんなあ。何でやろうなあ…」
祖母「なしかえ!あんたん会社は男んしがいっぱいおっちょんやろ!」
私「それはそうやけど、ほとんど結婚しちょん人ばっかりやけんなあ…」
祖母「なんでんいいけど、あんたも早よ相手を見つけんと置いていかれるで!」
私「アハハハ…」
私は適当にお茶を濁して電話を切った。
「結婚しろ」…私が30歳目前になったときから急に周りから言われるようになった。
相手がいないなら婚活しろだの、何なら紹介してあげるだの、ありとあらゆる手段を使って私を結婚させようとしてくる周りの人たち。
でも声を大にして言いたい。
「簡単に言うんじゃねーよ!!!」と。
そもそも本当に結婚したければ私だって動く。
婚活イベントに行ったりマッチングアプリを始めたり、男性が好きそうな髪型やファッションを研究したり、できることはたくさんある。
それでも何もしないということは、
私が彼氏が欲しいとか結婚したいとか思っていないということだ。
私は人と長い時間一緒に過ごすことができない。
ここでいう「人」というのは、初対面の人とか苦手な人とかソトの人間だけを指すのではない。
私の場合は親しい友達や家族などウチの人間とも
長い時間一緒いるのは耐えられない。
人と一緒にいると、私は無意識のうちに気を張り詰めてしまっている。
何か気の利いたことを言わなきゃ、
面白い話をしなきゃ、
相手の気に障るようなことを言わないようにしなきゃ…
人と一緒にいる時、私は黙っていても
頭の中は驚くほどフル回転している。
だから私のHPは人と一緒に過ごしている時間は
少しずつ減っていっているのだ。
子供の頃大好きだった『天外魔鏡』というRPGでは、敵から毒の攻撃を受けると歩いてるだけでどんどんHPが減っていくのだけれど、まさにそんな感じだ。
飲み会に行くとその時は楽しいけれど、
知らず知らずのうちに100…95…80…60…とHPが減っていく。
その後1人になった時はもはや瀕死状態。
酷い時はめまいや頭痛がする。
親しい友達とお茶をしても、気になる男性と食事に行ってもそうだ。
家族団らんの時間も私にとっては癒しの時間とは言い切れない。親しい家族と過ごす時間も確実に私の体力を奪っていく。
以前知り合いに「リビングで過ごすのがしんどいんです。人と一緒にいるのが苦手で…」と言ったら、「え、『人』って言うけど家族でしょ!?家族なのにどうして!?」と驚かれたこともある。
つまり私にとっては「結婚して家族を持つこと=自分をひたすら痛めつけること」なのである。
こんなことを言うと「髙橋さんは人が嫌いなんですか?」と言われるけれど、そんなことはない。
むしろその逆だ。
新しい人と知り合うのもワクワクするし、
人と深い話をするのは大好きだ。
だけど成長する過程で覚えてしまった「人の顔色を伺う」という癖が容赦なく私の体力と気力を奪っていき、それを許してくれないのだ。
「結婚しなさい」と言ってくる人に言いたい。
私だって「結婚したい」と思えるようになりたい。
愛する家族と過ごす時間で心を癒せるようになりたい。
1人でいるよりも誰かと一緒にいたいと思えるようになりたい。
でもそれは不可能だ。
私のこの気質に病名があって治療法があるならぜひ治療を受けたいけれど、残念ながらそんなものはないだろう。
私はこのやっかいな自分と一生付き合っていかなければいけないのだ。
だから簡単に結婚しろなんて言わないでほしい。
祖母を含め、私に結婚を勧めてくる人たちは婚活して相手が見つかれば結婚できるなんて思ってるかもしれないけれど、私にとってはそんな単純な問題じゃない。
私のことを受け入れろなんてことは言わない。
誰にでも受け入れ難いことはあると思う。
だけど「結婚=幸せ」という価値観を押し付けてこないでほしい。
あなたが私のことを受け入れられないように、
私もまたその価値観が受け入れられないのだ。