日常と非日常


今日は他人のイライラをまともにくらってしまった。しかも3回も。


そういう時「ちゃんとした大人」なら上手く気持ちを切り替えられるんだろうけれど、私は32歳のフリをした子どもだ。その証拠にしっかりと落ち込んでしまっている。


今日は仕事の後、用事があって北浜に来ていた。
帰路につこうとしてバス停に向かうと、次のバスは15分後だった。


いつもならスマホを見ながら時間を潰すのだけれど、今日は無性に街を歩きたかった。
私はスマホをバックにしまって蒸し暑い駅前通りを歩いた。


別府は日常と非日常が交錯する街だ。
スーツを着て早足で歩くサラリーマンと、
大きなキャリーケースを押して歩く外国人観光客がすれ違う光景が面白い。


私が別府にいる時、自分自身が「日常」で
外国人観光客は「非日常」だ。
だけど自分が旅行に行った時は自分や他の観光客が「非日常」で、街を歩くサラリーマンが「日常」なのだ。


人は自分と相反するものに惹かれると言ったのは誰だろうか。
確かに私は別府にいるときは観光客がまぶしくて、
旅行に行った時は地元の人と猛烈に話してみたくなるのである。別府にいる時はあれほど心惹かれた観光客には嘘のように興味がなくなる。

非常によくできた人間のメカニズムだと思う。



現に私は、非日常を欲していた。
非日常が欲しくなる時は内側に意識が向きすぎている時か、日常に嫌気がさした時である。


私は駅前通りを歩いた。
道のど真ん中で広がって家族会議をしていたり、
居酒屋の店構えの写真を撮ったり、
カップル同士手をつないで歩いていたり、
いろいろな形の非日常がそこにあった。


モヤモヤと内向きになっていた自分の意識が
徐々に外に向いていくのがわかる。


私は旅行客になった気分で、
サルキスの写真を撮った。


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