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午前3時のラブレター

誰の心にも空いている、穴の形。
その全容を探ろうとするには、
主観で見るのは近すぎる様で。

最も簡単なのは、他人に助言すること。
最も難解なのは、自分を理解すること。
まさに社会的生物らしき特徴である。

知らなくていいことまで、
知ることを強要される。

しかしこれを手放すことは
もうできないのだろう。

叶うことなら無知な頃に戻りたい。
雑音の少ない、自然の中にいたかの様な、
只今を見つめていただけの様な。
そんな少年心へ。

あなたが無力な訳ではない。

星の数よりちょっと多いくらいの
あなたに向いていない事と、

一握の砂より少ないくらいの、
けれどあなただから出来る事があるだけなの。

絵画でもない。
音楽でもない。
習字でも彫刻でも無い。
ましてや試作でも随筆でもない。

それでも【芸術】と呼ばざるを得ない何かを、
生涯を掛けて創り上げたいの。

それでね、
そんな感じでね、
他人でもない
知り合いでもない
ましてや恋人やセフレでもない。
いっそ家族ですらない。

そんな不安定で、
創造性しか介在する余地の無い関係を、
あなたと築いてみたくなったのよ。


…という恋文を書いて、
渡さなかった事があります。


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