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500kmの歩き方①〜困難を乗り越える〜
「インドへ行ったら人生変わりました!」
とか
「この人に出会ってから価値観が180°変わりました!」
とか
そんな経験をしてみたくて2週間かけて東京の日本橋から三重の伊勢神宮まで歩いてみました。いわゆるお伊勢参りです。
結論は、500km歩いてもそこまで人生は変わらなかったです。
別人に生まれ変わったような感覚や雷が落ちてきたような衝撃なんてまるでなくて、ひたすら体の痛みと戦う2週間でした。
今回は散々だったお伊勢参りの中でも過酷だったエリアや出来事をご紹介したいと思います。
今後、お伊勢参りをする方がいましたら参考にしてみてください。
①左が電車で右がバス 誘惑に挟まれ歩いた国府津
歩き旅の最大の敵って電車やバスといった交通機関なんです。
素晴らしい文明がすぐそばを通り過ぎる度に「自分は何をしているのか」と我に返るんです。
そして気付いたら駅やバス停の前に立ち止まっている自分がいます。
交通網が発達している東京-神奈川間はこの誘惑に要注意です。
②登りも下りもしんどい箱根峠
箱根駅伝で知られる箱根峠。
これがまた一歩一歩が重すぎる。
駅伝選手の皆さん、ここを走ったとか人間じゃないだろとぶつぶつ言いながら登ってました。
しかも、道を間違えたのかほぼ車道しかない道を進み、何度も右腕をもがれそうになりました。
まあ、道のりが険しいほど素晴らしい絶景が待っているものです。
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登ってしまえば後は楽だね!!
とはいかないのです、、、
個人的には登りより下りのほうがキツかったです。
下りは転げ落ちないようにブレーキをかけながら進む必要があるので、足への負担が尋常ではありません。
普通の坂ならまだ良かったものの滝のようにほぼ垂直の坂を下りました。
私は箱根峠の下り坂で負った足の痛みを最終日まで引きずりました。
本当に箱根峠には用心してください。
③登らなくてもよかった蔦の細道
静岡市と藤枝市の間にある宇津ノ谷峠。
この峠には蔦の細道というルートがあります。
ここは薄暗く道も険しいことから東海道中膝栗毛の弥次さん喜多さんが転げ落ちた場所。
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箱根峠とは違うキツさ。
この体の動き方、ロッククライミングだと気付く。
そうです、15km歩いてやや疲れている中でロッククライミングをします。
道もぬかるんでいて慎重に進んだので気づけば2時間以上の登山。
やっと平坦な道に到着して地図を確認。
あれ?本来通るはずの明治トンネルを通り過ぎてる、、もしかしてこのロッククライミング、しなくてよかった?
長距離ウォーカーは無駄な一歩は極力減らしたいもの。
やってしまったと憂いている中でこの看板。
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ここで一句
もしかして この山登らずに 進めたのでは
④頬を伝うのは雨か涙か 大雨の40km
私は曇り女を自称しているので外出時にあまり大雨に降られたことがありません。
なので、今回の旅も100円の雨ガッパしか持っていませんでした。
その日は昼から雨予報。
きっと大丈夫でしょう!と元気に出発。
ダメでした。
予報通り、昼からポツポツと降り出しました。
ポツポツ
ポツポツ
ポツ、、ボボボボボボボー!!
小雨が一気に土砂降りへと変わります。
よく大雨をザーザーと表現しますが違います。
あれは紛れもなくボーボーでした。
これはまずいと近くの神社で雨宿りしていたところ、近隣にお住まいのご夫婦に傘を恵んでもらいました。
まるでトトロの世界線。助かりました。
雨からの直接攻撃はしのげたものの気分はダダ下がりです。
靴はビチョ濡れ、車の水しぶき、寒さ。
人生で一番辛かった日です。
徒歩旅において丈夫な雨ガッパは必須です。
そして時間が許すなら雨の日は歩かないことをおすすめします。
⑤退屈こそ人を狂わせる 20km一本道
変化がないことがいかに苦しいことなのか身に沁みた経験。
歩いても歩いても同じ景色が続く。
あれデジャヴ!?と何度思ったことか。
見てください。
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綺麗な一本道ですね〜
20kmなんて大した距離じゃないのに永遠に感じられました。
変化があるから人生も楽しいんですよね。
500kmの道中、何もないエリアが結構あります。
富士市、静岡市、掛川市あたりにご注意ください。
大変だったエリアはこんなところですかね〜
こうやっていろいろ書きましたが、もちろん、素敵な出会いや景色もたくさんあったのでそちらは次の記事で。