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パリのビーガンパン屋さん


フランスといえば、美味しいパン。
パンが大好きな私は、
10代の頃からのフランス一人旅で
とにかくパンを食べ比べ、
それは住み始めた現在も尚続き、
頻繁ではないものの食べ比べを続けては
自分好みのパンを探っている。


まだ日本にいた9月、
母の親友から私に郵便が届いた。
ぜひ読んでみてほしい、と
切り取った新聞の1ページ。

内容は、ビーガン料理に関する記事だった。
ビーガンとは、完全菜食主義のことで、
日本では最近少しずつ耳にするようになったものの
現実まだあまり馴染みがない。
ヨーロッパ、特にイギリスやフランスは
ビーガンの文化がかなり広まっていて
ビーガン専門の飲食店もちらほら見られる。


そこに載っていたのは、
パリの一軒のパン屋さんの記事だった。
ビーガンのパン。
つまり、乳製品や卵を含む動物性食品を
全く含まないパンを売っているという。
え!バター大国のフランスで!?
え!パン大国のフランスで!?
そんなばかな〜フランス人がそんなパンを食べるだろうか
と、にわかに信じ難かったが
なんだかその記事がとても印象に残っていて
しかも調べてみたらたまたま
家のすぐ近くだったので
パリに行ったら足を運んでみようと決めていた。

10月の晴れやかな日曜日、
バスティーユのマルシェでの買い出し帰り、
ちょうどお昼時だったので行ってみることにした。
時間も時間だったからか、
パンを買うのに行列ができていて、
さらにイートイン席も満席だった。
いくらビーガン文化が広まりつつあるフランスとはいえ
乳製品で育っているフランス人が
しかも並ぶの嫌いなフランス人が
ビーガンのパン屋さんに列を作っていることにびっくり。


フランスのパン屋さんはケーキ類も置いてあることが多く、
例に漏れずここも入って最初のショーウィンドウには
ケーキがずらりと並んでいた。
「いや〜流石にバター入ってるでしょ〜」
と未だに信じない私。(疑い深い女)

お昼ご飯なので、サンドイッチを注文してみた。
サンドイッチも種類がたくさんあるが、
主な具材は野菜に豆類、マヨネーズは特製ベジタリアンマヨだという。
確かに具材に動物性が無く、
だんだんビーガンパン屋に現実味が湧いてくる。
 



そして、日本で記事を読んで最も気になっていた
クロワッサン。
クロワッサンといえばバターたっぷり織り込んだ
サックサクの食感が醍醐味。
これをバター無しなんて可能なんだろうか?
ということで
その真相を探るべく、一つ購入してみた。
旦那さんが面白がって
普通のクロワッサンと食べ比べてみようよ!というので
真迎えにあるエピスリー、
「Maison Plisson」で一つ
ノーマルのクロワッサンを購入して帰宅した。



いざ、実食。
まずはサンドイッチ。
今回注文したのは、
雑穀パンに、ベジマヨネーズ、
ひよこ豆に生野菜が挟んであるサンドイッチ。


一口食べてまず、パンの違いを感じた。
あ、バター入ってないわ。
パンドミ(食パン)には普通、
バターもしくはショートニングが一般的だけど、                                
これは確実にそれらは不使用な気がした。

ベジマヨネーズは
普通のマヨネーズと比較すると確かにコクには欠けるけど、
生野菜や半分潰したひよこ豆ととてもマッチしていて        
全体の味のバランスはとても良く、おいしかった。           
ビーガンとは無縁に生きている旦那さんも、              
これは美味しいと賞賛していた。

ただ一つ気になったのが                       
パン自体にまとまりがない。                     
ホームページを見てみたら、
パンはグルテンフリーで米粉使用だというが、                                
頬張ると、パンがほろほろっとすぐに崩れてしまうのだ。        
これは乾燥しているらなのか                     
もしくは動物性油脂(卵ももちろん)が入っていないからなのか     
ちょっとわからないのだけど                     
その食べにくさが少し気になった。
味はとてもグッド!

さて、最も気になるビーガンクロワッサンにいってみよう。       
半分に切って、普通のクロワッサンと断面を比べてみた。        
どちらがどちらかお分かりだろうか?                 


これ、左がビーガン、右がノーマル。                 
表面にも断面にもほぼ変わりはない。                 
なんなら左の方が生地が若干黄色っぽくて               
バターが入っている生地なようにも見える。

いざ、実食。                            

「ほぉ~~!」「なるほど~~!」                  
と二人で盛り上がった。                       
生地はちゃんとパイ生地の食感を出している。             
なのにバターの風味は無いという矛盾。                
サクサクで軽く、舌の奥の方で、なんだか知ってる油の味がした。    
給食でたまに出た、
サクサク感皆無のふわふわクロワッサンに      
味だけ似ていた。(もっとレベルは高いけれど)            
二人で考えたけど、最後まで正体を解決できなかった。

とてもあっさりしていて、
ちゃんと食べれるお味だったから       
さっぱりクロワッサンを食べたいときはこれだね!           
と〆た。                             
(そもそもさっぱり食べたいときにクロワッサンは選ばない)

他にも、これといったらバターでしょ!の商品、            
ブリオッシュや、                          
乳製品必要でしょ!の商品、                     
ケーキなど                             
いろいろ試してみたいものたくさん。                 
100%ベジなので少しお値段は張るけれど、              
また足を運んでみたいと思う。

Land&Monkeys
86 Boulevard Beaumarchais, 75011 Paris, France

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