ベーシックインカムやデンマーク型のように無条件で基本的な生活が保障されるような環境に生きたとしたら...
素晴らしい本と出会いました。
「これからやってくる素晴らしい世界の話」
自然との調和を大切にするコンドル族
思考や科学を好むイーグル族
この2つの文明の融合点はどこだろう
南米のシャーマン(祈祷師)に伝わる伝説。
昔ひとつの種族だった人類が、2つの文明に分かれ別々に進化をした。あるとき、2つの種族はどちらも滅亡の危機に陥った。2つの種族はお互いを認め合い、2つの種族の融合によって新しい人類へと生まれ変わる。
僕たちの文明と先住民族の文明の融合点から見た新しい人類の姿を探す旅が始まります。
アマゾン、インド、北極海、カナダ、イギリス、グリーンランド、ヒマラヤ、ネパール、ブータン、アメリカ。
そして、再びアマゾンを訪れ、見つけた2つの文明の融合点とは?
読みながら、筆者と一緒に旅をした気持ちになりました。
幸せな生き方のヒントがたくさんありました。
コロナで幸せな未来が見えにくいけど、コロナ禍だからこそ素晴らしい未来がこっちに近づいてきたと思えました。
お金という概念すら持たないアマゾンの先住民の言葉。
「あなたたちは『もっともっと』という考えと『足りない』という悪夢の中で暮らしている」
たしかに。
「お金」があると、格差が発生するし、優劣も感じる。
自分は「満ち足りている」と思えば、幸せだと感じる。
特にコロナで買い物に頻繁に行かなくなり、今ある物だけで生活できることが実感できました。
無駄に物を買わなくなりました。
「森は無料のスーパーマーケット」だと先住民が言うそうですが、そうだと思います。
森ではないけど、祖父母が庭に植えてくれた果物の木に毎年実がなります。
無料でフルーツが食べられるのです。
なんとありがたいことか。
多くを求めなければ、これで十分なのかもしれません。
アマゾンの先住民が原始的な生活をしていると思いきや、自分たちの未来の生き方のお手本のような気がしてきます。
人類がお金から卒業して、新しいステージを生きていく時代が来るかもしれません。
現に「ベーシックインカム」という考え方もコロナによって大きく前進しました。
飢えるという心配がない世界があれば、みんなが幸せな世界になりそうです。
そして、わたしにとって、とても興味深い話がありました。
北極圏に住む先住民族のイヌイットの話で、グリーンランドとカナダ北部のそれぞれのイヌイットの生活の違いについてです。
カナダのイヌイットはとても苦しい状態にあり、グリーンランドのイヌイットはとても輝いていたそうです。
グリーンランドのイヌイットはデンマーク領で、デンマーク本国と同じ政策で暮らしていて、デンマーク人と同じサポートを受けていて対等性があるという立場。生活することに関して心配がない、子どもも自由に教育を受けたり生きることができる。
カナダのイヌイットはカナダ政府から保護されているという立場で、狩猟民族だった彼らが動物保護活動が進むにつれ、猟をしなくなり、子どもたちのため生きのこるために地下資源の権利を政府に譲渡することで、生活補助金を受け取っている。
よって、筆者はこう言っています。
「保護政策のような形」ではなく、グリーンランドのように、対等性のある、すべての人が同じように保証される形が、よりよく生きるために必要。
なるほど。
ベーシックインカムやデンマーク型のように無条件で基本的な生活が保障されるような環境に生きたとしたら、自分がやりたい仕事を自由に選ぶことができ、こどもたちも自由に教育を受けたり生きることができる。
ということは、デンマークはベーシックインカムのような考え方をすでに実践できているということで、グリーンランドの人たちの幸せな姿が物語っているのですね。
このイヌイットの話を読んで、ますます「デンマーク」という国に興味が湧きました。
今までにも、デンマークの教育に興味があり、本を読んだりしました。
素晴らしい国だなぁと、なんとなく遠くの国の夢のような話と捉えていました。
でも、「無条件で基本的な生活が保障されるような環境」のあるデンマークという国をこの目で見たくなりました。
戦争が落ち着いたら行きたい。
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