時間切れ!倫理107 仏教の伝来
古代の宗教観のうえに、重なるように様々な思想が入ってきます。
6世紀の中頃ぐらい、物部氏とか大伴氏が力を持っているような時代です。そんな頃に仏教が入ってきます。外来の神様なので、元々ヤマトにいる神様が怒るのではないか、など議論があるのですが、最終的には仏教を取り入れてました。
現在、神様は神社にいます。例えば伊勢神宮は天照(アマテラス)が主神です。神殿の中は絶対に見せてくれませんが、そこには木の切れ端とか変わった形の石が置いてあるのだと思います。それが神様、正確には神の「依り代(よりしろ)」です。木の切れや石に神様が宿る。
奈良県に三輪山という山があります。大神(おおみわ)神社という神社の御神体がこの山です。山自体が神様というか、神様の依り代になっている。入山料を払うと山の頂上まで登ることができます。この前、500円くらいだったかな、お金を払っててっぺんまで登ってきました。頂上には岩を積み上げて2メートル四方ぐらいの、かまどのような石組みがありました。多分そこに神が来る、そしてまたどこかに行く。山だったり、石だったり、木ぎれだったり、そういう自然物が神様、もしくは神様の依代です。地味なものです。
それに対して仏教では、金ぴかの仏像があります。様々なお経があり、お坊さんはきらびやかな衣装を着ている。日本の神々が日常生活の延長にあるのにたいして、外来の仏教は華やかで煌びやかな印象だったと思います。そういう魅力に抗することはできなかったのでしょう。
仏教を取り入れるということは、大陸から先進文化を取り入れるのと同じことなのです。仏教=学問と考えてもいいと思います。蕃神(あだしくにのかみ)、外国の神として、好奇と美の対象として日本列島に入ってきた。最初は仏教の教義、難しい教えはあまり理解されていなかっただろうと思います。
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