雨の日に水によって奏でられている音
雨の日には、晴れの日とは違う音が聴こえてきます。それはすごく静かで、地球という水の星に生きていることを改めて思います。
ある嵐の夜のこと、外はこんなに風が強くて雨もたくさん降っているのに、こうしてそれらをしのぐことができる家のなかにいて、何もなかったように眠りにつくことができるのが心から幸せだと思いました。このように感じるのは、自分のなかにあるとても動物らしい、生き物としての根源的な感覚を持っているからかもしれないと思いました。リスが木の上の巣で雨の音を聴いて眠っているように、私も同じ雨の音を聴いているような気がしました。
雨が雲から生まれて地上に降ってきて、私たちが聴くことになる音は、とてもランダムなリズムを持っています。水滴が偶然の連続でつくりだしている音なのに、どこか落ち着く気分になるのはとっても不思議です。もしかすると、偶然だからこそ落ち着くのかもしれません。偶然というのが自然の本質なのだとしたら、人間のありとあらるゆる心配は無用な気がしてきました。雨の音を聴くと、なるようにしかならないし、それが美しいと感じます。
そういえば、地球の7割は海で覆われていて、私たちはいま水の星に生きているのでした。水がある場所からある場所へと絶えず動いていることが、私たちの身体をも形作っているのでした。だから、雨の日には「ああ、ちゃんと水が動いているな」と雨の音を聴きながらほっとするのかもしれません。一見大変に見えることでも、色んなものが循環してあり続けるために必要な変化なのだなと、雨の奏でる音に教えてもらうのでした。
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