カエデの葉を逆さまに見上げる雨宿り
傘を持たずに出かけると、いきなり雨が降ってくることがありますが、そのときはどうやって雨宿りをするかという楽しみがあります。
雨の日にはパワフルな太陽が隠れていてがっかりするけれど、色んな動きが制限されるからこそ本当に大切なものについて思いを巡らす日になるのかもしれません。運試しのように、くもりの天気予報だと私は傘を持たないで出かけます。くもりが雨に変わることも多々あるのですが、雨宿りのあの他にすることがなく、ただただ晴れることを願って空を見上げる時間も好きで、なかなかこの運試しがやめられないのです。
ある日は公園に着いたところで雨が降り始め、大きなカエデの木の下で雨上がりを待つことにしました。木の幹のそばから見上げると、まるで誰かが雨宿りをするために並んでいるのではないかと思うほど、びっしり敷き詰められたカエデの葉の数々が屋根のように広がっていました。カエデの木としては、もっと太陽を浴びるために葉を広げているのでしょうが、こうして人が雨宿りできる空間も同時につくりだしていて木はとっても寛大です。
この雨宿りのあとは、色んな葉っぱを逆さまに見るようになりました。落ち葉を拾ったりすると、枝に近い方を下にして見ることが多いですが、木の一部だったときには必ずしもそうではなかったことを想像します。もうひとつ雨宿りの好きなところは、雲がどんな風に変化していくかを観察できるところです。特に通り雨のときは雲の動きがダイナミックで、風の向きによってどこに向かえばいいかを考えることができます。
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