世界でひとつのここだけの家のにおい
家に帰ってくる度に帰ってくる場所があって良かったと安心するのは、玄関のドアを開けて家のにおいを感じた瞬間かもしれません。
どこか遠くへ旅をするのにも、学校や仕事の場所に行くのにも、帰ってくる場所はとっても大切です。家というのはどちらかというと、なにか挑戦する場所というよりは、見慣れたものや愛するものに囲まれて心をほっとさせてくれる場所だと思います。家を後にするときはどこか行ったことがない場所を初めて訪れたり、会ったことのない人に初めて会ったり、見たこともないことを初めて目にしたりする目的があることがほとんどです。
そんな家には、他の場所にはなかなかない、独特なにおいがあります。同じ建物でも、そこに住んでいる人が使う物、食べるもの、身につけるものなどによって、全く異なる唯一無二のにおいがあります。そんなにおいが、その日あった新しい出来事の数々の後に迎えてくれてくれます。人間に限らず、巣のある動物はみんな同じ安心感を住処から感じているのではないかと思います。このにおいによって、家はひとつとして同じ家になりません。
そのことに気づいてから、家に向かって「ただいま」と言うようになりました。私たちが日々何気なく暮らし、新しい記憶と共に帰ってくるのをいつも変わらずに迎えてくれる場所がとても有難く、家は何も言わないけれど、その持っているにおいで「おかえり」と言ってくれているような気がして、こんな会話をするようになりました。せっかく心休まる場所にするなら、こんな会話を続けて、どこまでもあったかい場所になったらいいなと思います。
#家のにおい #感性 #iwate_i_design
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