しあわせ味のおいしいサーモンスープ
うすピンクとレモン色の組み合わせを見たら必ず鮭とじゃがいものサーモンスープを思い浮かべるほど、サーモンスープは私の大好物です。
なにか服でも、食べ物でも、住む場所でも、「これは私のために現れたんじゃないか」と思うほどしっくりくるものがあります。私にとって、サーモンスープはそのひとつです。どこのレストランに行っても、注文は一択で迷わずサーモンスープになります。初めてサーモンスープを食べたのは、留学でフィンランドに初めて来たときです。誰も知り合いもいなくて生活を始めた孤独なときに、ほっと心を灯してくれた灯台のようでした。
作る人によって具材や味付けなどが変わってくるのですが、基本的には鮭、じゃがいも、ディルという香辛料、牛乳といった材料によって作られているスープです。宇宙みたいに絶妙なバランスで織りなされているこのスープは、人の心をあったかく包み込む力を持っています。なにか不安なことや落ち込むようなことがあったとしても、サーモンスープを食べると何かに守られているような「ここにいていいんだ」という安心感に包まれます。
急いでいたら気がつけないことがあります。サーモンスープに出会ったのは、じっくりと孤独な時も味わおうと思った時でした。そこでしあわせ味を感じることができました。幸せという言葉は広い意味があるのでよくわからないでいたのですが、今は「目の前にあることをじっくりと感じることができること」じゃないかと思います。この間一緒に遊んでいた小さな女の子から「あなたは幸せものだね!」という言葉をもらって、確信になりました。