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流れ星を見ようとして見るということ
雲っている夜にも星が在るということ、満天の星空は流れ星を隠し持っているということが、この地球に生きていて良かったと思うところです。
流れ星を見たいと思ったときには、「見えないかもしれない。それでも見たいから見る。すぐ見えなかったら待つ。」という、心と時間のゆとりが必要です。寒かったらただただ体が冷えてしまうし、あったかくても蚊に刺されるかもしれない、上を見上げて首が疲れる、といったことを「どうし
料理ができる瞬間のしあわせなにおい
自分が作る料理でも、誰かが作る料理でも、あと5分くらいで完成するという瞬間の料理のにおいを嗅ぐと、とってもしあわせな気分になります。
レストランに行って料理が出てくるときの感動とはまた違った感動が、手作りの料理にはあると思います。それは必ずしもレシピ通りに作れたからではなくて、美味しくみんなで食べる瞬間を想像して作ったからこそ生まれることからくる感動だと思います。そして、料理のプロセスのすべてを
太陽がつくるチャーミングなそばかす
そばかすがいつから予防されるべきものになったのかはわからないけれど、そばかすはとってもチャーミングなことをいつか伝えたいと思っています。
日焼けはどうにかして避けるべきものという考えが、どうしてか頭のなかにあって、あんまり疑問に思わずに大人になったのですが、大人になって夏の美しいものを受け取るのに、この考えはあまりにももったいないことだと気がつきました。なぜそんなに頑なに、太陽の光を喜んで浴びる
魚の骨に教わったバックボーンの意味
この夏の夏至のお祝いでいただいた大きなお魚が、バックボーンという言葉の意味を身を持って教えてくれました。
あらゆる生き物のなかで、お魚は毎日生きる上で、特にお世話になっている生き物で、感謝してもしきれません。お魚を丸ごといただくのは、焼き魚や煮魚、オーブンで焼いたお魚をいただくときで、ちょっとしたおめでたいことがあるときだったりします。お魚の身体の中心には、頭から尻尾まで通ずるひとつながりの骨が
世界でひとつのここだけの家のにおい
家に帰ってくる度に帰ってくる場所があって良かったと安心するのは、玄関のドアを開けて家のにおいを感じた瞬間かもしれません。
どこか遠くへ旅をするのにも、学校や仕事の場所に行くのにも、帰ってくる場所はとっても大切です。家というのはどちらかというと、なにか挑戦する場所というよりは、見慣れたものや愛するものに囲まれて心をほっとさせてくれる場所だと思います。家を後にするときはどこか行ったことがない場所を初
雨の日に水によって奏でられている音
雨の日には、晴れの日とは違う音が聴こえてきます。それはすごく静かで、地球という水の星に生きていることを改めて思います。
ある嵐の夜のこと、外はこんなに風が強くて雨もたくさん降っているのに、こうしてそれらをしのぐことができる家のなかにいて、何もなかったように眠りにつくことができるのが心から幸せだと思いました。このように感じるのは、自分のなかにあるとても動物らしい、生き物としての根源的な感覚を持って
できたての「いいこと思いついた!」
あまり言葉にしたり、人に話したりしないだけで、毎日たくさんの「いいこと思いついた!」の泡が生まれては消えていっていることを思います。
どちらかというと、ぼーっとしているときや何の電子機器にもふれていないときに、「もしかしたらこんなことができるかもしれない」と、奇想天外なアイデアが降ってくるときがあります。それは、あまりに突拍子もないことが多いので、「やっぱりできないかもしれない」と諦められてしま
朝が来たのが本当に嬉しそうな鳥たち
早起きが得意でない私でも、ごく稀に、早朝に目が覚めてしまうことがあります。そのとき窓の外には朝をこの上なく喜んでいる鳥たちがいました。
どちらかというと夜型人間の私は、早く起きられないために朝が持っている素敵なひとときの数々を見逃してきたに違いありません。でも、珍しく早朝に目が覚めて、もう一度眠る気分にならないくらい頭が冴えていたときに、ふと窓の外を見ると、2匹以上の鳥たちのグループが何度も空を
湖に浮かぶ蓮の葉と花とおだやかな心
湖が隠している数々の素敵なもののなかに、いきいきと生きている魚や、温かい水の温度などがありますが、外には顔を出す蓮があります。
森と湖の国フィンランドに住むようになってから、湖というものが私の人生のなかで、ぐっと身近なものになっていました。日本では大きな湖がいくつかありますが、フィンランドにはちっぽけな湖から海みたいに大きな湖まであり、サウナやコテージが近くに建てられていることから、そこで泳ぐと
誰かが筆で描いたとしか思えない秋空
空の雰囲気がなんとなく変わったと思っていたその日は、ちょうど立秋の日で、感覚というものはとんでもなく正確なのかもしれないと驚きました。
まだ8月だというのに入道雲はどこかに行ってしまって、サーっと風がつくり出す芸術的な雲が空の端っこに現れ始めました。このときから、空だけでなく流れている空気まで変わったような感じがしました。秋の空は、夏や冬の空よりももっと身近なものに感じられてなりません。もくもく
どこにいても惹きつける引力がある月
満ち欠けがカレンダーになっていたこともある月は、今の時代でも変わらずに人を導いてくれているような気がします。
月を見つけたり眺めたりするのが好きになったのは、子どもの頃のことです。車の後部座席の窓から空を眺めていたら、どこまでも追いかけてくる光の塊があると思って、どこまで自分を追いかけてくるんだろうとおもしろく目で追っていました。このときは、学校の理科の授業で天体のことを学ぶ前だったので、私とい
くだり坂と私を原動力に転がる自転車
10年ぶりに自転車に乗ってみると、いままで当たり前に思っていた、自転車の電気を使わないで遠くまで行くことがができる素晴らしさを感じました。
晴れた日には、自転車はとてもすごい発明品だ!と思いながら乗っています。車や電車など、少し遠くに行きたいと思ったときに乗るものは、いつもガソリンや電気などの燃料が必要です。でも、自転車は下り坂と私のがんばって漕ぐ力だけが必要です。それは、よく考えてみれば、移動
しあわせ味のおいしいサーモンスープ
うすピンクとレモン色の組み合わせを見たら必ず鮭とじゃがいものサーモンスープを思い浮かべるほど、サーモンスープは私の大好物です。
なにか服でも、食べ物でも、住む場所でも、「これは私のために現れたんじゃないか」と思うほどしっくりくるものがあります。私にとって、サーモンスープはそのひとつです。どこのレストランに行っても、注文は一択で迷わずサーモンスープになります。初めてサーモンスープを食べたのは、留学
夏に被ると冒険したくなる麦わら帽子
夏に麦わら帽子を被るようになって、いつも被っているうちに麦わら帽子はただの帽子ではないような気がしてきました。
小さな頃には男女を問わず、麦わら帽子を被ったことがある人が多いのではないでしょうか。夏の強い日差しから頭を守るために大きなつばがついていて、さわやかな自然の素材が夏はただ暑いだけではないということを教えてくれます。大人になって被るのは被りたい人だけですが、私はまず日差しをクールに避けた