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【番外編】舞台 ワンダー・オーヴァー・レインボウ

去年からとても素敵な脚本を書かれる加東さんが代表を務める劇団「GAIA_crew」さんの
舞台。
筆者は3月21日土曜日の夜の部にて観劇

【ざっくり過ぎるあらすじ】
関東のとある地方都市柴木市。
そこでスナックを営む母と二人暮らしの
結月。高校でも目立ちすぎない様に振る舞い、学校とバイトの毎日。
特に深く付き合える友達もおらず、母は最近スナックの常連客との仲が上手く行きそうで日々
その事ばかり。
結月は、どこに居ても「自分の居場所がない」と感じながら日々を過ごしていたある日、学校帰りに思いがけない台風で雨宿りさせて貰った古びたゲームセンターOZで出会った常連客や初めて目にする昔のゲームに結月の凍っていた心は溶け始め、やっと自分の居場所を見つけたと思っていた矢先、結月も常連客も予想だにしなかった事が起こって・・・・


冒頭にも書いたが、筆者が大ファンである加東長さんの作品である。

去年からオタクノシゴト・三国志と加東さんが手掛けられた作品を見て今回はやっと加東さんが主だたる活動をなさっている劇団の舞台を観劇できるとあって、筆者がずっと楽しみにしていた作品。

冒頭シーンから中盤までは「お?今までと違うテイストだなぁ」と思いつつも主人公・結月の高校生ならではの母親への葛藤や確執。
母親視点での娘・結月に対する思いや「学校」という狭い世界の中での生きづらさ等を、演者さんお二人がとても見事に演じられて居られて、どちらの考え方も分からなくもない年齢になった筆者は何となくくすぐったいような、ソワソワする様なそんな気持ちになりつつも話は進んで行く。
ゲームセンターOZに集まる常連客達はひとくせもふたくせもありつつも、でもきっとごく普通に日常を過ごしている大人達。
その年齢も、境遇もバラバラな大人達と、結月の共通点は「どこか満たされていない」感だったり「何となく、自分の日常に居場所がない」感だったりする。
年齢も、性別もバラバラな人間と、それぞれのゲームの中のキャラクター達との掛け合いの中で、人間誰しも子供時代でも大人になってもフト感じる「自分の人生の満たされてない」所や「居場所が無い」所をちゃんと見つめて、向き合って、結月と、ゲームセンターOZの常連客や店長・バイトの明衣子・出入りする営業マンの
それぞれがある事をキッカケに動き出す。

舞台中盤以降からは、加東さんの今まで拝見してきた脚本らしい。
ちゃんと笑えて、でも泣けて。
そして心にちゃんと刺さるお話でした。

筆者は特に昔友人で似た様な経験があったので
余計に「なるほど、そんな風に送り出す方法があるのか」と、目から鱗でした。

人生に起こる事柄全てに「無駄」な物はひとつも存在しないと筆者は勝手に思っていますが、きっとこの舞台で表現されていた「数年経ったらすっかり記憶の中から抜け落ちている事」でも、フトしたきっかけでOZの魔法使いのドロシーがラストシーンで靴を3回鳴らして自分の行きたい場所へ行けた様に。
きっと、心のオアシスにはいつでも思い出せるスイッチがあるんだという事を再認識させてくれる素敵な作品でした。

劇場での公演は明日2021年3月21日(日)で
終了ですが、配信版をチケット購入で観劇する事が可能です。
※配信期間2021年4月1日(木)19:00〜
4月30日(金)23:59迄

自分の居場所が見えなくなっている人や
何となく今自分がいる場所が居心地悪くなっている人。
生きづらさを感じてる人にはきっととても響く作品だと思います。
ご興味持たれた方は是非!

配信チケット購入先:
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=60469

舞台 ワンダー・オーヴァー・レインボウ
劇団GAIA_crew
脚本・演出: 加東岳史
脚本補佐: 三橋亮太
舞台監督: 九巻尚志


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