アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
2014年公開された映画。
親しくしているお友達にも過去に
オススメされていた作品。
やっと観賞できた。
【ざっくり過ぎるあらすじ】
イギリスのコーンウォールに住む青年ティム・レイク。
21歳を迎えたティムは新年パーティーをやりきれない気持ちで過ごし、翌朝父親に呼ばれて自分にタイムトラベル能力が代々レイク家の男にのみある事を知らされる。
但し、その能力は過去にのみ行けるもので、未来には行けない。
そして、父からの忠告は金儲けの為につかうのではなく、自分の人生の為に使えという忠告だったので、ティムは未来の自分の恋愛の為に使う事を父と約束する。
最初は半信半疑だったティムも、昨晩のやりきれない気分だった新年パーティーに父親に言われた通りのやり方でタイムトラベルして自分の能力を理解する。
能力を理解したティムは、自分と、自分の家族と過ごす人生をより良いものにする為に、タイムトラベル能力を使いながら、自分の人生を進めていく。
前にも何回か書いたと思うが、筆者は「ファンタジー系の作品は割と苦手」な分野としてきた。
なので、この作品を親しい友人に勧められた時も、その時はあまり興味が湧かず、それでもある程度気になりつつも、観る機会を逃してきたのだが、最近とみに思うのは、人生に必要な時に自ら自分で選んで作品を観れるようになるのかもな。
と、今日この映画を観た時に本当に強く体感した事だ。
決して悪い男性ではないけど、物凄くカッコいいわけでもなく、ごくごく普通の割と内気な青年のティム。
強気な母と優しい父と、自由奔放な妹といつも上の空の叔父とごくごく一般的な家庭からほんの少し風変わりな家庭だけど、楽しく彼なりに人生を楽しんできたティム。
その彼が21歳で父親から自分の特殊能力を教えられ、最初は上手く使いこなせなかったり、過去に戻ってやり直した結果として、最初に送った人生と未来の人生が変わってしまって愕然としたりしつつも、どんなにタイムトラベルしても、ティムの思い通りに行かない事もあったり、寧ろタイムトラベルを使わない方が良い事がある事にも気づいて、ティムは自分の人生の日々をティムなりに生きていく。
ティムは、父親と約束した通り、彼の人生の中で愛を手に入れる為に彼の特殊能力を使い、そして代々レイク家の男たちが自分のタイムトラベル能力で学んだ事、悟った事をティムなりに消化し、そして彼の父親ですら悟れなかった事に最後気付く。
それは、しごく当たり前の事だけど。
でも、ラストシーン間際での悲しい別れや、自分の未来を受け入れるティムの気持ちや判断や、そして最後にティムが悟った事実こそ、人間として生きていく為に本当に大切な事なんだろうと、本当に「え?そんなの基礎じゃない?」って事なのだろうけど、やっぱり「そこなんだよね、生きる原点って」という結果に行き着いて、筆者はとても嬉しかった。
筆者の人生は多分周りからみたらひっちゃかめっちゃかで、歪で不器用も目に余る程だと思うが笑
それでも、やっぱり過去に戻ってやり直したい!と時には人間誰しも思う事もあるけど、結果として、もし、自分にティムと同じ様な能力があったとしても、私はきっと最初から使わないと思う。
と言うのが、本当に映画を観終わった後も、実は観る前に友達と「そーいう能力あったらどうする?」と聞かれた事もあるが、答えはただ一つ「使わない」だ。
使っても仕方ないし、なによりも過去を変えて新しい未来を手にしたとしても、その後の自分を創っていくのはその時々精一杯生きた自分だからであって「やり直せるからいっか!」と過ごす自分ではきっと今の自分は造られていない事が確実に言い切れるから。
たまーーーに「あと10年早くこの考え方、この分析を終えて生きてればなー」と思う事もあるけれど笑
でも、その「あと10年」の月日が無ければ今の私はここに居ないのだ。
そしたらきっと、出会う人も、繋がっている人も、私が好む物全てが変わってしまっていたかもしれないし、私はその私を好きになれるのか?と言われれば「分からない」としか答えられないし、何より不器用ながらもぶつかってばかりでボコボコに歪なカタチになって見える「今の私」を形成してくれた時間・関わってくれた人・物・猫全てに感謝しているし、結果私はその歪な私が大好きだからだ。
多分、もう2年くらいこの映画を観ていたらこんな風に、私はその時の私を「大好きです」なんて言えなかったと思う。
たった二年の月日であっても、観るタイミングが違えば全く別の感想が出てきていたと思うし、なんならここまで自分の事も全く愛せていなかったと思う。
だからこそ、この作品に出てくるティムが最後に悟った事は本当に共感できたし、とても素晴らしく思ったし、多分レイク家の男性達の中で誰よりも有効にそして誰も傷つける事なく、立派にその能力を使いこなした人間なんだと、観賞後に思った作品でした。
やはり、人間は出会うべくタイミングで、人・物・作品に出会い、それぞれにその出会いを生かすも殺すも本人次第なのだなと、改めて感じさせてくれた作品でした。
色んな配信媒体で観賞可能です。
興味がある方は是非!
お篭りGWにもピッタリな作品かと。
アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜
監督・脚本: リチャード・カーティス
日本での公開日: 2014年9月27日
上映時間: 124分