週一回は出したいシリーズ:「聖王 終わりの移民」 1-1
【前書き】
皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。
連載漫画に考えていた企画を、書いてみようと思う。
週一でね。
少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。
【聖王 終わりの移民】1-1
「イントロダクション①」
作:カナモノユウキ
《登場人物》
・高瀬タケル(20)大学に通うヤマトの親友、自分勝手なところもある。
・大継ヤマト(20)タケルの親友、大学では友達も多い。タケルとは真逆な性格。
聖王 終わりの移民
《~イントロダクション①~》
『その昔、彼らは移民だった。未開の地に移り住み、知識豊かな国王の元で永らく繁栄の日々を過ごす人々。だがしばらくして、闇の時代が到来する。』
『野は緑から荒れ地に変わり、病が蔓延して人々の間では争いが絶えず続く世界へと移り変わっていった。
自分の国が朽ちていくことを危惧した王は、禁忌を冒してでも民を救おうと【聖王の儀】を行うことを決意する。』
『それは【十二人の戦士】を選び【造化の面】を着けて戦い、勝者は【理想の王を想像する権利】が与えられる。』
『儀式を行った王も戦士として戦い勝ち上がり、自分の国を立て直す【聖王】を誕生させた。
新しい王の誕生で国はまた永らく繁栄の時代を迎えた。』
『そして移民を牽引した王は、新しい王にすべてを託して国王の座をしりぞき。
もうその土地から移り住むことなどない様に、切に願いながら長い眠りについた。』
『しかし、禁忌である儀式は密かに世に知り渡ってしまい。方法を知った者たちにより、儀式は脈々と行われていき。【理想の人間を作る戦い】は他国間での、代理戦争にまで発展していった。』
『そして今、貴方はその戦いの戦士に選ばれた。【理想の人間を想像する権利】をその手に掴むために。』
親友が、熱を帯びながらスマホのイントロダクションを見せて来た。
何だこれ、何のゲームだよ。
…それに、このロゴの文字…〝セイオウ〟だよな?
なんだ、〝スイオン〟?〝セイオエン〟?漢字の読み間違ってるだろうに。
「…で?。」
「なんだよ、面白そうじゃね?」
「いや、今のイントロダクション読んでおお!とはならんだろう。やっぱイマイチどういうゲームか分かんないし。」
「分かんないかな~、要はさ【自分の理想の仲間を作れるゲーム】だぞ?」
「そんなゲーム、探せばいくらでもあんだろ。」
「ますますバカだな、自分のキャラメイクは出来るけどさ、仲間はだいたい決まってるだろ?
それを戦えば戦うだけ仲間を作れるゲームって、中々無いだろうが。」
「…まぁ、思い当たらんけど。てかそもそも僕あんまりゲームしないしさ…。」
「そうだけどさぁ~、たまには一緒にやろうぜ?なぁ?」
「…一緒にやるのは良いけどさ、それ用は戦うゲームだろ?共闘とかじゃなくて。」
「そこはさ!お互い共闘して、最後の最後にどっちかが勝ち譲って仲間増やせばいいって話だろ!それにさ!
バトロワ系で仲間増やすMMOARPGって珍しくね?しかもまだネットで話題にもなってない!やるなら今だろ!」
「それが益々怪しいんだけどな…何処が出してるゲームなの?」
「あ~…それがさ、分かんないんだよ。どこが出してるか。会社名も何もなかったし。」
「え?それ大丈夫?クソゲーとか…新手の詐欺じゃない?」
「クソでも何詐欺でもいいだろ?一緒に遊ぶのが大事なんだからさ!」
「詐欺は駄目だろ!?…まぁいいか、何か心配だし。それ何処で見つけたの?」
「ん?何かメールでおすすめされて。」
「…え、今時メール?…しかも、誰に?」
「誰だろ。…そういえば。」
「えっ…本当ヤマトは、そういうところだよ。」
「いいだろ?俺はタケルと遊びたいだけなんだからよ!ガキの頃みたいに、親友とな!」
最後の会話って、こんなに呆気ないもんなんだなって思った。
翌日からヤマトは大学に現れなくなり、それから一週間が経ってから、自室で首無し死体となって発見された。
ヤマトは、そんな急に連絡が着かなくなるようなヤツじゃなかったし。ましてや行方不明なんて…。
そして、コレは明らかに殺人だ。そのはずなのに…犯人は見つかってない、ヤマトは、殺されたのに。
首はまだ見つかってない、殺した犯人は今ものうのうとしている…やり場のない思いが溢れて渦巻く。
昔から友人が多く、毎日誰かと遊んでいて。性格は明るく、不器用だけど嘘もつかない真っ直ぐなヤツだった。
そして、僕のことを〝親友〟と呼んでくれて…いつも僕の傍に居てくれた。小学校から出会い、高校と大学も。
「親友の征く道は俺の征く道!」と言って、同じ受験して。勉強苦手なのに猛勉強してまで同じ学校選んだり。
夏休みや冬休みはほぼ毎日どっちかの家に入り浸って、…そういえばその頃はゲーム一緒にやってたな。
大学来てからは、一緒には居たけどゲームとかは一切一緒にやってなかったし。…遊んどけばよかったな。
こんなことになるなら、最後に言ってたゲーム…何だっけ…〝せいおう〟だったっけか。はぁ…ヤマト。
僕こそ、バカだった…本当に大バカ者だ。あぁ、今になってどんどんと、思いが込みあがってくる。
当たり前なんて思ってるから、喪ってこんなに後悔が頭ン中に溢れるんだ…。あぁ、今夜の葬式の準備しないと…。
――〈着信音〉――
何だ、メール…〝聖王 終わりの移民へのご招待〟ってコレ。ヤマトが話してたゲームだよな。
それに宛先、コレは何故…いや、確かにそうだ。間違いない、このアドレス…でも何で今〝ヤマト〟から…。
続く
【あとがき】
最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。
なんかもうね、悔いの残らない様に。
「全部出していくスタイル」にしようかなって。
誰に何を言われても、出し切ろうと思います。
では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。
カナモノユウキ
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