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女性が性的被害にあわないために、防犯セミナーの講師が教えてくれたこと
昔、年上男性と2人でご飯食べた後に「2軒目行こう」「タクシーならすぐだから」と言われタクシー乗った時、男性から行き先を「歌舞伎町」と告げられた男性タクシー運転手に、テンション高く「ホテル街ですね!?」と返され、そのままホテル街までウキウキで連れていかれてショックを受けたことがあります。
単に年上男性とタクシーに乗っただけで、手を繋いだり体を密着していたことも全くなかったのに(むしろ物理的に距離をあけて座っていたのに)、客である男性の目的を即座に読み取り、率先して協力する態度を取られたことに衝撃を受けました。タクシー運転手も性的搾取や性加害に加担するのか、と絶望したのをよく覚えています。車内では、どうやって逃げようかとばかり考えていました。
歌舞伎町のホテル街に到着した時。「2人で一緒にご飯を食べる」ことにしか同意していなかった私は当然ホテルなど行く訳がなく、幸い新宿辺りは土地勘があったので、タクシー降りてすぐに駅の方に走って逃げました(心臓バクバクしながら)。レイプドラッグなど使用されて意識がなかったら、逃げられなかったと思います。
仮に、レイプドラッグを使用されるとどうなるのか。例えば、伊藤詩織氏が山口敬之氏から「レイプドラッグを使用された」と証言している件では、下記の内容が報道されています。
「今回も誰か同席者がいると思っていたところ、お店に行って初めて2人きりなんだとわかりました。会ったのはそのときが3回目になります。その店は串焼き屋で、彼が19歳のときから父親と来ていると言っていました。口にしたものは串焼き5本、瓶ビール2本のシェア、グラスのワインを1杯ほど、になります」
そこでは「鳩山さん(由紀夫元首相)や安倍さん」の名前を出すなど人脈を吹聴するばかりで肝心の仕事の話は出なかった。店を後にする際に彼が、
「僕は明日帰るんだけど、恵比寿には顔を出さなきゃいけない店がものすごくあるから付き合って」
と言い2人は鮨屋へ。
「その場で“良い評判を聞いていたので一緒に働きたいと思っていた”とやっと仕事の話が出来ました。入店まで頭はクリアだったのに、2度目にトイレに行った時にクラクラし、給水タンクに頭をもたせかけて休んだきり、記憶がないんです。覚えている限りでは、お刺身と日本酒2合をシェアして飲んだこと。それから偶然『さかなクン』が店にいて、声を掛けるか否かという話をしたことくらいなのです」
彼女は左党だと主張し、
「酔って記憶をなくした経験は一度もありません。普段は2人でワインボトル3本空けてもまったく平気でいられる私が仕事の席で記憶をなくすほど飲むというのは絶対ない。だから、私は薬(デートレイプドラッグ)を入れられたんだと思っています。身体に痛みを感じて目覚めた時、あの人が身体の上に乗っている状態でした」
午後11時頃に退店し、タクシーに乗車した2人。
記憶のない彼女に代わって、当時両名を乗せたタクシー運転手が証言する。
「その女性のことなら、よく憶えています。後部座席の奥側に彼女が座らされていたのですが、男性は彼女に“もっといい仕事を紹介する”と話していました。女性は何度か“駅の近くで降ろしてください”と訴えたのですが、男性が“何もしないから。ホテルに行って”と。それで、結局2人をホテルに連れて行ったのですが、到着しても彼女はなかなか降りようとしませんでした。けれど最終的には彼女は体ごと抱えられて、座席から降ろされたのです」
それが午後11時22分。フロントからエレベーターで2階へ、彼女は意識が朦朧としたままだ。
「意識が戻ったのは早朝5時頃で、痛みを感じてのこと。仰向けの私に相手が跨っている状態で、抵抗してトイレに逃げ込みました。その際に避妊具をしていない陰茎が見えました。なんで自分がここに、裸でいるのか全く分からなくて。でも頭はすごくクリアで二日酔いという感覚は皆無ですぐに動けた。ベッドの上に彼のノートパソコンが開かれたままだったのも覚えているし、直感的に撮られているんだと思ったのも事実です。後でわかったのは乳首から血が滲んでいたことで、膣内もそうだったかもしれませんが。トイレから出たらすぐ逃げようとしたんですが、そのまますごい勢いでベッドに顔と身体を押さえつけられました。とにかく力が強かったです。何とか抵抗して2度目のレイプをされることはありませんでしたが、怒りが収まらず感情のままに英語でこう言ったのです」
詩織さん:一緒に仕事をしようという話だったのに、どういうつもりで、どういう神経でこんなことをするのか。しかもコンドームも付けないで、妊娠だって病気だってあるだろうし、何を考えているのか。
山口:ごめん。君のことが本当に好きになってしまって。早くワシントンに連れていきたい。7時にチェックアウトをして空港に向かうので、シャワーを浴びたら一緒に薬局でピルを買いましょう。
詩織さん:とにかく服を返してください。(なかなか返却されず部屋を探し回る)
山口:下着だけでもお土産で持って帰ってもいいかな。いつもは強気なのに困った時は子供みたいで可愛いね。
それこそ這い出るように、何とか服を着て部屋を出た。
私自身も性的被害に遭いそうになったエピソードを多数持っているのですが、幸いにも、深刻な被害は免れています。これには、大学生の時に、防犯系のセミナー講師から、女性が性被害から身を守る術を伝授されたことが大きく貢献しているのではないかと思いました。その人からは、世の中にはレイプドラッグを使う男性がいることを聞かされていたのです。そこで、その際に伝授されたことを皆様にも共有しておきたいと思います。
防犯に詳しい講師から伝授されたこと
・男性と飲みに行った際、トイレ等に立つ時は飲み途中のグラスを置いていくな(薬を混ぜられるリスクがあるから)
・特にビールが危ない、粉末が泡に隠れて見えにくいから
・男性から貰った開封済みの飲食物には口をつけるな
・男性と飲食店に入る時は、逃げ道がどこにあるか把握しておけ
他にも、日常生活で
・下着を捨てる際は切り刻んだ上で生ゴミに混ぜろ
・レシートはいつどこでどのお店に寄ったかという行動範囲を知らせる情報となるので、個人情報が入っていなくても切り刻んで生ゴミに混ぜて捨てろ ・カーテンの色は女性らしい色を避けろ
・1階には住むな
・寝る時に窓を開けたままにするな
等と言われました
どの国においても、女性は男性よりも、性被害に遭うリスクが圧倒的に高いという現状があります。性加害者(未遂含む)を厳正に処罰するのはもちろん、世の中には様々な方法で女性を性的に狙う捕食者がいる事を早くから知る必要がありますし、身を守る術を学校でも教えてあげてほしいと思います。
例えば振り込め詐欺でも、海外の窃盗でも、よくある手口を知っておくことが、より危険を察知し、身を守ることに繋がります。性加害においても、どのような手口で犯行に及んでいるのかを知っておき、その対処法を考えておくことが大切です。また、性犯罪者の思考を知っておくことも役に立つと思います。
どうか、性被害に遭う人が一人でも少なくなりますように。日本社会が、性加害者を擁護する社会でなく、一丸となって、性加害者から女性や子どもを守る社会であってほしいと強く願います。
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