公務職場でハラスメントが発⽣するメカニズムと組織的対応

本稿は、『地⽅公務員 安全と健康フォーラム』2024 年8月号(第128 号)のために執筆した原稿を先行公開するものです。実際に掲載されるバージョンとは内容が異なる可能性があります。

特集 ハラスメント一掃に向けて改めて最新知識と対策を学ぶ
提言 ハラスメントが発⽣するメカニズムと組織的対応



1.はじめに

職場での対応が法的に義務付けられているハラスメントは、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント(いわゆるマタニティハラスメント、パタニニティハラスメント、ケアハラスメント)の3種類である。これ以外に、近年では就活ハラスメント、そしてカスタマ―ハラスメント(カスハラ)への対応も、法的義務ではないものの求められている。

対応が求められるハラスメントの種類が増える一方で、いわゆるグレーゾーンに該当する(確実にハラスメントであるとは認められない)ハラスメント事例への対応への難しさも聞こえてきている。そこで本稿では、ハラスメントが発生するメカニズムとしてどのようなことがわかっているのか、そして組織に求められる対策のポイントについて解説する。

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