最高の出会いにつながる自己紹介が満たす3つのこと-自己紹介のつくり方講座開催レポート 後編-
2024年9月に開催した「ブランディングプロ直伝 思わず聞きたくなる自己紹介のつくり方講座」のエッセンスをおすそ分けするレポート後編です。前編では、「結局、自己紹介とは何か?」をお伝えしました。
後編は、ステキな出会いにつながる「自己紹介」をつくる上で大大大前提となる3つのことをお伝えします。
1.自己紹介には必ず目的がある
講師の神木優さんは自己紹介をつくる前に定めることが二つあると言います。一つは自己紹介の「目的」の設定、もう一つは自己紹介の「場の条件」の設定です。
①目的の設定
「自己紹介をした後に、何が起きてほしいですか?」例えば…
自己紹介のあとで個別に声をかけられて、自分の仕事について質問される
自分が解決したい悩みや課題を持つ人が「もっと詳しく聞きたいから」と別日に個別にゆっくり会いたいと言われる
自分と似た価値観やビジョンを持っている人と友達になる
このように、自己紹介をした後、どんな誰から、どんなアクションがあってほしいか、自己紹介の「目的」を設定します。
②場の条件の設定
「自己紹介する場は、どんな場ですか?」例えば…
様々な職種の方が約30名ほど集まる交流会の場で、1人1分自己紹介の時間を与えられた
Zoomのブレイクアウトルームで、初対面の4人グループで一人30秒自己紹介の時間を与えられた
過去に自己紹介した場や、よく参加する場を設定するとイメージしやすいです。
ここで勘のいい方はお気づきかもしれません。自己紹介は、前提となる「目的」と「場」によって変わります。自己紹介をする機会がある度に見直して、よく使う自己紹介を何パターンか持っておくとよさそうですね。
2.相手が思わず聞きたくなる言葉選びをする
自己紹介はとことん相手目線でつくる
「本業は医療データの分析レポートをつくったり、通知デザインをしています。データ分析をテーマに講師をすることもあります。個人の活動では、ビジョンボードワークショップをしています。最近では、プレゼンテーションデザインやコンセプトの言語化をするお仕事も始めました…」
以前、私は自分のやっていることを羅列するような自己紹介をしていました。
神木さん「たくさん伝えすぎですね。一つにしぼりましょう。自己紹介は自分を正確に伝えることではないんです。自己紹介ってネーミングがよくないと思っていたんだけど…」
私「自己紹介って自分のことを紹介するんじゃないんですか……?!」
頭がパカーンとなったことを覚えています。
届けたい相手が知りたいことを伝える。
自己紹介はとことん相手目線でつくる。
それが自己紹介で一番大切なことです。
冒頭15秒で勝負は決まる
「印象を残す」ためには、はじめの15秒で相手が「思わず聞きたくなる状態をつくること」が大事。講師の池戸裕さんは言います。
この講座に参加された方の悩みの多くは以下の3つでした。
「印象を残す」ために必要なのが「キャッチコピー」です。あなたを表すキャッチコピーで自己紹介を始めると、「なんか気になる」、「私に言っているのかも」とアンテナが立ち、聴き手は続きを聞きたくなります。
講座では、池戸裕さんが20年以上コピーライターに携わる中で得た、キャッチコピーのつくり方の神髄を惜しみなく伝えてくださいました。
講座の中で、私が特に印象に残っている池戸裕さんの言葉があります。
「大したことがないと思っていることでも磨き続けると、いつかは鋭利な刃物になる。」
キャッチコピーも、自分の活動も、磨き続けると、人に刺さるものになる。とがった存在になれます。頭の中に、鋭利な宝石が浮かんだことを覚えています。
3.キャッチコピーは自分が言いたくなることが大事
講座に参加された方に、「キャッチコピーや肩書きはあるけど、自分が言いたくならない」という悩みを持っておられる方がいました。
自分が言いたくなる、しっくりくるキャッチコピーをつくるためには、
今、自分がなぜこの活動をしているのか
自分が日々どんな価値観を大事にしているのか
現在の活動で、特に自分が大事にしている価値観が過去の具体的な出来事とつながっていることが大事です。
そこで講座では、生まれてから現在に至るまでの過去の経験(行動や環境)や印象に残っている出来事を書き出し、「価値観のルーツ」を見つけるワークを実施しました。
「人生の浮き沈み、自分で選択したことに価値観が現れやすい」
「今の価値観の元になった経験が結びつくと確信になる」
と池戸裕さんは言います。
私の価値観に「想定は超えられる、実現するまであきらめない。自分の体は自分で守る」というのがあります。この価値観は、遡ってみると以下のような経験がルーツでした。
無理は禁物です。
講座でつくった自己紹介を紹介
一部になりますが、講座に参加された方がつくった自己紹介をご紹介します。太字がキャッチコピーです。キャッチコピーに続く文面は、相手目線でつくられています。
みなさん話しかけたくなるような、とても印象的な自己紹介になっています。
まとめ
最高の出会いにつながる自己紹介が満たす3つのこと、講座に参加された方がつくった自己紹介をご紹介しました。
自己紹介の「目的」と「場」を具体的に設定する
相手が思わず聞きたくなる言葉選びをする
自分が言いたくなるキャッチコピーで自己紹介する
自己紹介をつくるときにご参考ください。
自己紹介をつくるプロセスは、自分の人生を振り返る壮大な旅のようです。自分が変化していく限り、自己紹介の形にはゴールがありません。今の自分と関わるとどんなステキなことが起こるのか、言葉と自分自身を磨いていく旅は続いてきます。