渇水
今日は「渇水」というテーマの文章を書きたいと思います。
白石和彌プロデュース、生田斗真、門脇麦主演の映画を観ました。
前橋市の水道局に勤める生田斗真は、一軒一軒を回って水道料金の滞留金の回収や停水を実施していきます。
実際、こういう仕事はなかなか辛いもので、全然お金を払ってくれない人や反発する人もいることでしょう。
ある時、門脇麦の家に行ったら娘2人と3人暮らしをしてました。
典型的な駄目な母親で、小さな娘2人がいるのにも関わらず家に全然帰ってこずに、男の所に行って遊んで帰ってくるという無責任極まりない女です。自分はお洒落したり、マニュキュアを塗ったり自由奔放さには呆れるばかり。
一方で水道局員って、公務員で安定している職業かもしれないけれど、実際、結構、精神的な負担がある仕事だなぁと思った。
水道、電気、ガスなどは社会や人の生活のインフラで、だけれど、お金を払ってもらえないと「停水」という対応を取らなきゃいけない。
そんな時、小さな子どもが目の前にいたら?あなたはどうする?どう思う?ということを突きつけられます。
作品のなかでは、こども2人が公園の水を汲みに行ったり、他人様の水を盗んだり、水が止まるくらいなので生活も困窮しており、スーパーで商品を盗んだりするんですが、これは心が痛みます。
「親の責任」というものを深く考えさせられます。
私は公共インフラが停まってしまうような家では育ってませんが、リアル社会でこういう生活を余儀なくされてる子どもは可哀想だなぁと思う。
人が生活を送るにはお金がいるし、お金を稼ぐには仕事をしなきゃいけない。
でも、仕事って簡単に見つからない人もいるだろうし、低賃金の仕事しかない場合もある。
そうなると、当然、精神的に辛かったり、カリカリしたりする人も出てくる。
これって、誰しもが訪れる可能性があることだと思うんですよね。
突然、会社が倒産したり、病気になってしまったり。
人は他人を思いやる心が大事だと思いますが、しかし、切羽詰まったら自分のことで精一杯になる。これは誰だってそうだと思う。
今回、水道局員の生田斗真の同僚が最後の最後に「家族を守るためにある行動」を取るんですが、これがなんとも言えない気持ちにさせてくれるんですよね。
家族を守るって大変だけれど、守るために必死で働くこともやっぱり大事だよなぁと。
色々と感情が揺さぶられる素晴らしい作品でした。