「フーディー」が日本を再生する! ニッポン美食立国論 ――時代はガストロノミーツーリズム
「フーディー」が日本を再生する! ニッポン美食立国論 ――時代はガストロノミーツーリズムという本を読みました。
フーディーというのは、美食家のことで、世界中のレストランを食べ歩く人のことを言います。
日本は世界的にみてもグルメのレベルが高く、ミシュランに選ばれてるお店もとても多く、また、東京だけでなく、全国各地に素晴らしいご飯屋さんがとても多い。
自然豊かで、素晴らしい文化を持つ日本は外国人にとても人気があり、なかでもグルメを目的に観光に来る人は少なくないとのこと。
そんな日本のグルメですが、たとえば、スペインのサンセバスチャンのように、美食をもっと打ち出してもいいのではないかという意見や提言がこの本のなかで出てきます。
しかしながら、日本のグルメを求めてやってくる世界中のVIPに対応するだけのラグジュアリーホテルが少なすぎるなどの現実的な話も出てきます。
とにもかくにも、日本は全国津々浦々、素晴らしい食文化があって、そのポテンシャルがまだまだ発信できていないと著者は嘆いており、そこをもっと伸ばせばインバウンド需要はまだまだ伸びるんじゃないかとのことです。
美味しいグルメのためにならと、世界中飛び回るフーディーだけあって、裕福な人がとても多いので、そういう人を対象にマーケティングを実施しでみるのも良いかもしれませんね。
北九州市の戸畑にある照寿司の話は面白かったです。Instagramで貫禄のある大将が寿司をアップしたり、九州を回って、最高級の魚を仕入れ、それを見事にブランディングし、高い値段で販売する。そしたら、世界中のセレブが福岡のど田舎の戸畑に来て照寿司の寿司を食してるそうです。もはや、今では海外展開も実施しているそう。
あと、サンセバスチャンの美食の街としてのブランディングの作り方の話が興味深かった。
サンセバスチャン内でレシピを全て公開し、どこのお店に行っても、それなりに美味しいお店というブランディングを実施したそう。
もちろん、レシピが同じだからと言って味が全く同じになる訳ではなくて、だからこそ、それぞれのお店が技に磨きをかけ、それが個性豊かなお店になり、更にサンセバスチャンのブランド構築に役立っているそうです。
この辺の話はとてもおもしろいですよね。
フーディーっていう生き方もなかなかいいですね。お金はかかりますけれど。