沈黙のパレード
ガリレオシリーズの最新作である「沈黙のパレード」を鑑賞してきた。
全てのシリーズを見てきて私としての感想は、今回のガリレオも面白かった、ということ。
湯川、草薙、内海はもちろんのこと、他の役者さんの演技も全て素晴らしかった。
そして、もちろん、ストーリーも東野圭吾らしく、極めて論理的、合理的かつディテールへの拘りが素晴らしくて、見応えのあるものとなっている。
映画を観た後、直ぐに文庫本を買って、直ぐに読み終えた。
事件の裏には悲しい過去、それぞれの人間が葛藤や複雑な思いを抱えながらも生きている姿が描かれていて、観ているこちら側も様々な感情が出てくる。
主人公の湯川は人間的な深みや温かみが出ていて、つまり、人として成長し、円熟味が増してて、また多くのファンの心を掴んだのではないかと思う。科学的な視点で事件に迫りつつも、人間的な心も持ち合わせて犯人を追及していく姿が美しいし、カッコいい。
草薙と内海も刑事としての経験値が増え、勘が鋭くなっている。つまり、刑事としての深みがしっかりと出ていた。
映画は素晴らしい作品でした。
そして、その後、文庫本を読み終えて、映画では分からなかったディテールや登場人物たちの言動が明確に理解できて、完璧に腑に落ちた。
映画を観た後にすぐ原作を読むっていうのは、すごく良いなと思ったし、ガリレオシリーズに限らず、今後もこのような形で「作品」を楽しもうと思った。
そして、文庫本の原作を2時間の映画にする、つまり、映画に映像化する監督やスタッフってほんとに凄いなって思った。
原作の大事な部分や東野圭吾が伝えたい、訴えたい本質的な部分を残したまま、ストーリーを忠実に再現している。
当然、映画化するに当たって削らなきゃいけないところは削っているが、逆に、映画でしか伝えられない部分や表現を見事に描いている。
とかく、素晴らしい小説、映画だと思った。
また次回作が出てくるのを楽しみにしてるし、またきっと新たなシリーズが出てくると思っている。
素晴らしい映画は、たくさんのことを考えさせられる。今回の沈黙のパレードはまさにそんな映画だった。
素晴らしい作品をありがとう。