月という映画を観た
今日は「月という映画を観た」というテーマの文章を書きたいと思います。
2023年10月公開となった映画で、実際に起きた障害者殺傷事件を題材にした小説の映画化です。
主演は宮沢りえ、磯村勇斗、二階堂ふみ、オダギリジョーなど。
神奈川県相模原市で19人もの利用者が殺害されるという過激な事件をモチーフに製作された作品とあって、かなりシリアスな内容となってます。
この作品のなかで殺人者と変貌を遂げることになる施設職員は、最初は至って真面目な人間で利用者に寄り添った姿勢で働いてます。
ところが、働くなかで男は施設利用者や環境に徐々に絶望し、心が荒んでいき、「心がない人は殺していい」という、間違った思想に染まってしまい、大量殺人を犯してしまいます。
ポイントは、最初は熱心に仕事に取り組んでいたが、徐々に絶望していき、そして、間違った思想に染まり、事件を犯すに至ったということ。
実際の事件の犯人のことはよく知りませんが、「環境が人を変えた」のは間違いないし、では、施設だけの問題かというと、そうでもないだろうなと言うのが私の意見です。
事実、この作品に出てくる施設労働者の家族ですら、障害者施設の実態を知らないし、知ろうともしないという、「臭いものには蓋をする」という風潮があるし、それは日本社会全体を見渡してみても同じだと思います。
だからこそ、障害者施設内でどんな風に利用者が過ごしてるのか、そこで働く人がどんな思いを持っているのかなどに思考が回らない。
障害者施設の運営者は「国からしっかりと補助金を貰え続ければそれでいい」という利用者の豊かな暮らしは追及せず、必要最低限のサービスしか行わないという構造も施設環境が悪くなる要因だなぁと思う。
国や自治体も「施設の労働環境を含めた環境」をより良いものにしていかないと、またこのような事件が起きてしまうかもなぁと思いました。
結局、どんな組織でも働いてるのは「生身の人間」であって、まともに、快適に働ける仕事じゃなきゃ続かないし、劣悪で過酷な労働からは今回の事件の要因となる「間違った考えや思想」が生まれたりするリスクがあるんだなぁと納得しました。
こういう社会派的な映画は観ていて辛く切なくなってきますが、ある意味、ドキュメント作品としてしっかりと観て、いろんなことを学んだいきたい。
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