宮本から君へ

今日は「宮本から君へ」というテーマの文章を書きたいと思います。

漫画原作の映画「宮本から君へ」をU-NEXTで鑑賞しました。
R15指定だけあって、なかなか刺激的な作品であります。

主演は蒼井優、池松壮亮、井浦新、ピエール瀧などなど。

主人公の男はサラリーマン勤めの不器用な男です。
この男が1人の女性と寝るとことから全ての物語が始まります。

別れた女に未練がある嫉妬深くてプライドが高い男。
知り合いの女にレイプをする男。
それに翻弄され、身も心も傷付く女。
そして、そんな女性を守ろうと、大切にしようと空回りするような熱意で女性と向き合う主人公。

R15指定の刺激的な作品ではありますが、どこか、普段の社会のなかでもこんなことって起こり得そうだよなって思わせられるほど、リアリティーがあります。

もちろん、レイプは犯罪ですし、この作品のなかで行われる暴力も決して許されるものではありません。

しかし、主人公の男には苛立つし、だけれど、応援したくなるし、そういったかなり複雑な感情を終始抱きました。
やはり、男は黙ってばかりじゃ駄目で、絶対に仕返しをしなきゃならないときがあるよなぁと。

この作品の見所は、こういった「元来人間が持つ、生々しい複雑な感情をたっぷり味わえるところ」なんじゃないかなぁと思いました。

だから、そういったものを求めてない人には全く刺さらないし、むしろ、敬遠されるでしょう。

この作品を観てて思ったのは、人間、誰しもが自分に都合よく生きてて、そして、倫理や感情を抑えられなくなった時に、暴力や罪を犯してしまうものなんだなぁと思いました。
そして、それを一度でもやっちゃうと反撃を喰らうし、当然、悪い方向に人生が向かってしまう。因果応報というやつですね。

さて、私がこの作品で一番印象に残ってるシーンは、作品の最後の最後です。
主人公の女性が救急車に乗り込む時に見せたあの表情。

あの表情を映画のラストにするのは素晴らしいですね。
ずっと、生々しい複雑な感情を抱いたままストーリーは進んでいくんですが、個人的には、最後の最後のあの女性の表情で「すごく救われた感」がありました。

漫画はすごく人気があるそうですが、なんとなくその人気の秘密が分かったような気がします。

久々に心が掻きむしられるような作品を観ましたが、人生って色々あるよなぁということを得ることができる作品に出会えて良かった。

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