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〖短編小説〗11月12日は「洋服記念日」
この短編は765文字、約2分で読めます。
洋服と聞くと諸君はどんな服を想像するだろうか?
私が初めて洋服を着たのは、生まれて間もないころだそうだ。
自分では覚えていないが、写真にしっかりと写っていた。
ピンクの可愛らしいデザインの洋服だ。
自分としてはもう少し、地味で目立たない洋服を着たいのだが、なかなかそうはいかないようで、可愛らしいデザインの洋服が多い。
私はそれをおとなしく、着るだけである。
なぜ、洋服を着なければならないのか。これは最近の私の疑問だ。
色々な仲間に聞いてみたが、返ってくる答えは様々だった。
「トレンドをきちんと意識した、おしゃれな洋服をきるべき」
「外出時におしゃれな洋服を着るのはもはや、当たり前」
「寒さ対策になってとてもよい」などなど
私が知りたかった、なぜ服を着なければならないのかという問いには、だれも答えてはくれなかった。皆疑問ではないのか?
最近、洋服の専門店なる場所に行ったのだが、あまりの洋服の多さに驚いた。壁一面が洋服でいっぱいなのだ。装飾がたくさんついたもの、動きやすそうな素材のもの、やたらにカボチャが付いているもの。この店はカボチャの洋服が一押しなのか。
さて、結局なぜ我々は洋服なる奇妙なものを着るのか、という答えはでないままである。しかしながら、そんな疑問も吹き飛ぶくらいに、私が洋服を着た時の主人の嬉しそうな顔が忘れられないのも事実である。
今日も、主人がこの前買ってくれた、色が赤と白のみで、角がやたらと大きい生物(私はこの生物の名前を知らない、少なくとも家の近所にはいない)のイラストが入った洋服を着て、主人と散歩にでも行こうじゃないか。
まったく、我々犬はいつから人間のように洋服を着るようになったんだ。
全日本洋服協同組合連合会が1972(昭和47)年に制定。
11月12日は「洋服記念日」