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〖短編小説〗11月27日は「ブラックフライデー」

この短編は668文字、約1分40秒で読めます。

すべてフィクションです。

ブラックフライデーなるものが、大陸から来たのは、いつのことだったのか正確に覚えている者は少ないだろう。

我々の生活に圧倒的な力で入り込み、今では当たり前のように年に一回ブラックフライデーが来る。

それを受け入れて生活していかなければならなくなった我々は、今年も来るであろうブラックフライデーに備えなければいけない。

まずは、しっかりと戸締りをし、窓などの割れやすい部分はベニヤ板などで補強することを勧める。そして、ブラックフライデー期間は可能な限り外に出ないことだ。なにより、真昼間でも外は真っ暗になるので、出たところで身動きは取れないが、、

食料をしっかりと確保し、家の中にいるというのは、歴史の教科書で読んだ100年ほど前に流行った肺炎をおこすウイルスの拡散防止法に似ている。

その時代も、やはり人々は部屋のなかでじっとしていたのだろうか。100年経った今、我々は別の脅威と戦っている。

ブラックフライデー

それは、大陸よりやってくる蝗害(こうがい)のことである。蝗害とは大量のバッタの群れによる災害である。バッタの群れの大きさは幅200キロメートル、長さ700キロメートルにおよび、群れが通ったあとには人間の食用の農作物はもちろん、すべての植物が食い荒らされ、あとには何も残らない。

その神のごとき力に人類はいまだに活路を見出すことができず、長年にわたり防戦一方である。

ちなみに、ブラックフライデーの由来はある年の金曜日に突如として、空一面をおおう黒い大量のバッタが飛来したことによる。

11月27日は「ブラックフライデー」

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