〖短編小説〗2月7日は「フナの日」
この短編は735文字、約2分で読めます。あなたの2分を頂ければ幸いです。
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その時は突然訪れた。平和な街に突然の大きな振動。神の鉄槌としか思えないような、というかそうと思わなければとても理性を保つことができないようなことが起こった。それだけ、我々にとってその出来事は衝撃的だった。
その街は他の国からの流れ者に対して寛容な街だった。様々な人種の人々が様々な理由で生活していた。
隣の国の流行語大賞は「すべては自己責任」そう、すべては自己責任。
本当にそうだろうか。自己責任で片づけるには難しいほど、その街の人口は年々増えていた。そのうち先住民から治安や仕事について心配する声が多く上がった。一方で子供をつれて街に来た親子は、先に住む親子とうまくやっていけるのかを思い、若者はこんな自分にも仕事があるのかと思った。
ところが、先住民と街に後から入ってきた住民(自分の意志でこの街に来た人は、ほんの一握りの為、あえて移民という)は深く互いを思いやり、生活することができた、これは奇跡といっても過言ではなかった。先住民は移民の話をよく聞いた。今までの人生のこと、これからのこと。また、移民は新たな国の文化や知識を積極的に学び、先住民とのコミュニケーションを深めた。
冒頭に戻ろう。そう、その時は訪れた。
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「うわーー!すごい大きい!こら暴れるな!!これはー、あ、ギンブナだ!すげーでかい魚!先生、これは在来種ですか?」
「はい、それは在来種なので、池の水をきれいにしたら、戻しましょう」
「こんどは、すごい数のブラックバスです。こりゃすごい量です。こんなにいたら生態系が壊れてしまいます。外来種として駆除します!」
こうして、この池の水はきれいになり、在来種のみが泳ぐことになった。池にいた外来種はすべて処分された。
2月7日は「フナの日」