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〖短編小説〗12月19日は「大洗濯の日」

この短編は474文字、約1分10秒で読めます。

「はい、次ーはい、次ー」

「まったくどれだけあんのよ」

「おい、まてまて、そのケチャップのシミは落ちるよーこっちにまわさないでよ、油断も隙もありゃしないよ」

人類の洗濯の歴史は古い。かの有名な桃太郎に出てくる、おばあさんも川に洗濯に行ったとある。そこから、洗濯に関する人類の進歩は目覚ましく、ドラム式洗濯機などを人間の分際で使っている。

「だからー、それはウルトラファインバブルで落ちるってば。去年それで落ちたんだから」

「おい、だれだ!今面倒臭がってやらないだけじゃないかっていったやつは」

「こっちも大変なんだから、毎年一回だからいいでしょーと思ってたら大間違いなんだからね」

「あーYシャツのシミは、、、いいでしょ引き受けましょ。これは仕方ないよね」

こうして、全国でも珍しいここ洗濯神社に、年に一度「大洗濯の日」にだけどうしても汚れの落ちない洗濯物が山程届く。そしてそれを神の力で洗濯するのが、ここに祀られている洗濯の神なのだ。

「いやーテディベアは、はじめてのパターンよ。このパターン新しいよね」

今年も洗濯の神は苦労しそうである。

12月19日は「大洗濯の日」



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