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〖短編小説〗11月11日は「箸の日」

この短編は513文字、約1分20秒で読めます。

箸の使用が日本で禁止されるようになってから、20年が過ぎた。

あの、有名な箸革命事件や総理大臣の箸不要論からの、日本国民の食事における箸の使用禁止に関する法律。略して箸禁止法が制定その後の箸焼きや箸の大量不法投棄事件などが懐かしい。

まさか、日本人の命とも言うべき、箸が禁止されることになろうとは、いったい誰が予想しただろう。

今では、フォークやスプーンを使い食事をし、生まれたときから箸を知らない世代も現れて来ている。

冗談みたいな話だが、街の若者に箸の写真を見せたところ「なに、この棒」と答えていたのには驚いた。

箸消滅に伴い、日本食の文化も衰退の一途を辿り、欧米寄りの食事がメインとなった。

日本人にとって箸とは何だったのか。ただ単に食事の際の道具に過ぎなかったのか。いや違うはずだ。
生まれたときから当たり前のように箸を使ってきた我々日本人だったが、箸を奪われたことにより、日本人の心を奪われたも同然だった。

箸復活の活動は続いている。しかし一度折られた箸をもとに戻すのは容易なことではない。

我々日本人が、また箸を使い食事を楽しむ時代が訪れるのだろうか。

「1111」が箸が2膳並んでいるように見えることから、
11月11日は「箸の日」


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