「自然と共に生きる」プロ集団、カナダ人から学ぶ思考法。
自然と共に生きる、ということ。
人間の利便を優先して環境を破壊するのも違うし、環境保全を優先するあまり不便を被るのも違う。自然環境にとっても、人間の社会活動にとっても、できる限りbenefitが大きくなるような、最善の選択をとる。
そんな考え方をみんなが身につけることができれば、SDGsとかESGとか(耳にタコができるほど毎日聞く言葉たち...)分かるようで分からない指標やルールなんて設けなくても、地球に優しい社会になるんじゃないだろうか。
でも、そんなことが可能なのだろうか?
可能だと思う。
私は高校時代、自然豊かなカナダに4年間住んで多くのことを学んだ。
その中の1つが、自然環境の負荷を最小限にしながら発展し続ける「自然と共に生きる」プロ集団、カナダ人の思考方法やライフスタイル。
今回の記事では、私が個人的にカナダ人から学んだ、思考法やライフスタイルについて紹介していこうと思う。
グリーンな都市、バンクーバー
高校卒業後の半年間、カナダの西海岸の都市、バンクーバーに住む機会があった。
たった半年間ではあったが、バンクーバーという都市に恋に落ちてしまった。
バンクーバーは私が今まで訪れた場所で一番、自然と人間の共生、が体現されている都市だった。
知っている人も多いかもしれないが、バンクーバーは "Greenest City" と呼ばれるほど、自然環境が豊か、かつ人々の環境保全意識が高い。90%以上の電力が水力発電などの再生可能エネルギーで賄われている、というのだから驚きだ。その他にも排気ガスの少ない、モノレールや路面バス、自転車、が人々の移動の足となっている。
しかも、私が実際にバンクーバーローカルたちと関わってきて感じたのは、政府が優れたグリーン都市化政策を遂行しているだけではなく、市民1人1人に「この美しい環境を守りたい」という意志が根付いており、日々の人々の行動がサステイナブルな社会構築につながっているということ。
具体的に言うと
・スーパーマーケットでは、出来る限り地元で生産された商品を選ぶ
・週末は友達や家族とハイキングやスキーに出かける
・都市グリーン化イベント、ボランティアに定期的に参加する
などなど。
このように、消費者はサステイナブルな事業を行う企業、環境負荷が少ない方法で食べ物・衣服を作る生産者、のモノやサービスを選択する。それがさらなる好循環を生み、良い方向に発展してゆく。
具体的にデータに出ているのが、second-hand marketの大きさ。
言い換えれば、どれだけの人が中古品(リユース品)を日常的に買っているか、古着やリユース家具の「売・買・譲」に関わっていたか、ということ。
2018年にリユースサイトKijijiが公表したデータによると、2018年のカナダ人のsecond-hand marketは82%と高水準だった。
同じ2018年、中古品を購入した日本人は約30%に留まり、約70%の日本人が過去1年間でリユース商品を購入しなかった、というデータが出ている。(環境省)
誰に強制されるわけでなく、自分の意思でごく自然に環境に優しい選択をしているカナダ人。実際にそこに住む人々のアタマが変われば、政府などの大きな手が莫大な費用を投資するまでもなく、健全な循環型社会が生み出されるのだな、とつくづく感じた。
"Outdoor Education" 自然教育について
あと面白いのが、カナダ特有のアウトドアに関する教育。英語では体育をPE (Physical Education) というが、私の高校ではその代わりにOE (Outdoor Education)の授業があった。
授業の内容としては、カヌーの操縦、携帯電話を持たないでコンパスを地図を持って森林探検、極寒の中のキャンプ、ロッククライミングなど・・・東京の現代っ子が泣きべそをかきそうなかなり厳しい内容。
自然に触れ合うだけの「自然教室」でなく、自然と真っ直ぐ向き合い厳しさを実感するようなカリキュラム。カヌーの操縦ひとつとっても、風向きや天気によっても難易度は大きく変わってくる。自然は人間がコントロールできるものではなく、人間は大自然にお邪魔しているんだ、という畏れの気持ちに気付かさせてくれる。
自然の楽しさだけでなく、リスクを知ることは大切。日本の学校でも似たようなこことできる地域はたくさんあるし、OE、取り入れればいいのにと思う。ロッククライミングやSUPなどアウトドアアクティビティは最近流行っているけど、こういう教育を事前に行えば不慮の事故など減りそう。
んーでも、モンスターペアレンツがうるさくて難しいのかな。
(写真)カヌーを背負い1泊2日キャンプをする、学校の恒例行事にて
改めて今回の記事を書いてみて思ったのは、カナダってすんばらしい国。コロナが収まったらまた行きたいな😌🌱
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