
20181211 クリスマスについてスケッチを
クリスマスについての、日常のスケッチをいくつかまとめてみます。
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「ねえ、12月って、もうすぐ?」
リサ・ラーソンのユニクロコラボのTシャツを可愛く着こなした彼女は、わたしを見上げてそう言った。「えっ、……あと、8、9、10月……5ヶ月かな。何かあるの?」そうしたら、彼女はにこにこして言った。「だって、クリスマスになったら、サンタさんが来てくれるから!」
「何か欲しいものがあるの?」彼女はにこにこして、頷いて、わたしの質問には答えずに、どこかへ駆けて行ってしまった。
なつやすみクリスマスまでどれくらい
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『サンタクロースってほんとにいるの?』
という本が教室にあって、まだ11月の末日だったけれど、街はもうクリスマスの雰囲気だからまあいいか、読んでみようかと手に取った。終わりの会の時、時間があまったら、先生のわたしはこうして本を読むことがある。
「何読むん」「あーわたしそれ読んだこと、あるー」、こどもたちはお話がはじまるまでは、ごちゃごちゃとおしゃべりをしていて落ち着きがない。でも、どんなお話でも、わたしが物語のひとになって話し始めると、次第にしん、と静かになる。
「どうしてお父さんとお母さんには来ないの?」「こどものころにたくさんもらったからね」「どうして僕の好きなものがわかるの?」「こどもの欲しいものがわかる人だけがサンタになれるんだよ」
こどもたちは、えーっ、とか思わず声を出したり、口をきゅっと閉じたり、ほっぺたを触ったり、物語に夢中だ。わたしは、こどもたちの反応を横目でちらちらとみながら、抑揚をつけながら物語を進めていく。
こどもたちのクリスマスに対する期待が半端ないことを、8月に12月のことを聞いたリサ・ラーソンの彼女との会話からわたしは学んだ。みんな、あと一ヶ月ほど、思いっきりわくわくしてね。
おはなしのひとになりたいクリスマス
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クリスマスまでの3連休をどう過ごそうか、
恋人とだらだらしながら、喋った。わたしは記念日に盛り上がったり、盛り上げたりするのが得意ではない。ということを、そのまま話した。
「わたしはクリスマスに盛り上がったりするのが苦手なんですけど、せっかくの三連休だから、お家でごはん食べましょうね。ケーキを買うから」
そう言って、恋人の横顔を、ちらちらと見る。わたしは記念日を盛り上げるのは得意じゃないけど、盛り上げてもらうのは別に、きらいじゃない。盛り上がったりするのは得意ではないけれど、きらいじゃない。
恋人はきっと、そのわたしのちょっと期待に満ちた、こどもみたいな拙いことばに、可笑しくなったのだろう。ちょっと笑ってくれた。
「そうだな、ワインでも開けようか」ワインを開けるのは、休日お家で一緒に過ごしている時もすることなのだけど、これがクリスマスにというだけで、こんなにも嬉しい。
クリスマス剥がせよ膜のようなもの
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もうすぐ、クリスマス!
温かくして、風邪なんかひかないようにして、来たる日への準備を。
こどもたちもおとなたちも、しあわせな日になりますように。