山形鉄道フラワー長井線の宮内駅に行つてきたヨ

　いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。

　私は、書物では知り得ない神州の美を見つけるために旅を続けてゐます。大西郷の批判する「書物の蟲」や清談の徒、売文家とは異なります。

西郷南洲遺訓: 付 手抄言志録及遺文 (岩波文庫 青 101-1)

　今回は、前回の旅の続きです。
　IGRいわて銀河鉄道の夜行列車を降り、さらに南へ。

　どうか最後までお付き合ひください。

盛岡駅で夜行鈍行列車を降りました。あまりの荷物の少なさに、係の方から「それだけなんですか？」と驚かれました。さう、玉川はミニマリスト。いつも身軽なのです。今回はmont-bellのポーチだけで来ました。

【モンベル】アタッチャブルポーチ

盛岡駅から新幹線で東京まで帰るか、久慈駅に出て三陸方面に行くか…迷つた結果、すぐに仙台駅行きがあつたので乗り込みました。そして、乗つてからすぐに寝てしまひ、起きたら仙台駅前でした。仙台といへば、この曲です。

仙台駅から仙山線に乗ります。迷つた挙句の決断は……、山形鉄道フラワー長井線に乗ることにしました。

この前、登つた山寺を車窓から眺めました。多くの人が、山寺駅で降りて行きました。よく晴れたけふは「岩にしみ入る蝉の声」もよく聞こえませう。

宝珠山 立石寺 – 山形県山形市、宝珠山 立石寺の公式ホームページです。歴史が灯る 山寺 芭蕉の風景に会い来ませんか。

山形駅に着き、職場のパートさんへお土産を買ひました。そしてすぐに米沢駅行きの普通列車に乗ります。車両はE719系です。

車内はボックス席です。

狭いこの席に座りました。

サア、ご飯にしませう。三つの味が楽しめる牛肉どまん中にしました。この三味牛肉どまん中、初めて食べます。

米沢名物 牛丼弁当 牛肉どまん中｜お弁当｜新杵屋【米沢の美味しい駅弁と山形の名産品】

醤油味が一番美味しく感じました。食べるのに夢中で、車窓を気にしてゐませんでした。途中、茂吉記念館前駅を通りました。また茂吉記念館に行きたいです。斎藤茂太氏の御父斎藤茂吉は優れた方です。

公益財団法人 斎藤茂吉記念館 – 歌人 斎藤茂吉の作品を未来へ伝える

さらに、かみのやま温泉駅を経て、赤湯駅に着きました。

山形鉄道のホームに行くと、早くも荒砥駅行きの車両が待機してゐました。車両はYR882です。

山形鉄道 - 接続線対応のフラワーライナー時刻表と運賃表、沿線名所案内と同線の歴史。

車内はロングシートです。乗客は十名程です。座席の柄が素敵です。

運転士の方からフリーきつぷを買ひました。千円は安いですし、素敵なデザインですね。かうしたフリーきつぷは本の栞によく合ひます。『萬葉日本學』(反時代出版)といふ作者はよく知りませんが、素敵な書があります。栞にすると良いでせう。

萬葉日本學

列車は赤湯駅を出発し、次の南陽市役所駅に着きました。後面展望の景色がいかにもローカル線のそれで落ち着きます。

早くも次の宮内駅に着きました。玉川、ここで降ります。良い雰囲気の駅です。

乗つてきた列車を見送ります。では、駅舎の中に入つてみませう。

落ち着いた待合室になつてゐます。奥の本棚には『萬葉日本學』はありませんでした。

中には黒板アートの素敵な作品が飾られてゐました。ぬくぬくです。

素敵な駅舎です。ところで、この宮内駅は三羽のうさぎが勤めてゐました。置賜農業高校で生まれた、もっちぃ、ぴーたー、てんです。彼らは、ただそこにゐるだけで愛され、人の心をぬくぬくにしたのでした。

キャラクター紹介 - 山形鉄道

もっちぃ駅長は、昨年の六月に虹の橋を渡りました。十三歳、人でいへば九十歳を超える高齢です。この駅の近くに鎮座する熊野神社の神官によつて彼らの慰霊祭が営まれたさうです。

山形鉄道のウサギ駅長「もっちぃ」天国へ…人間なら９０歳代前半に相当

駅舎の売店には、彼らを愛した人たちによる手紙が飾れてゐました。涙なくては読めません。

素敵なヘッドマーク、ぬくぬくです。

窓口で記念入場券を買ひました。

ひまはりの花壇の向かうが、もっちぃの奥津城です。恭しく礼拝しました。礼拝して、思はず涙が出てきました。

むらきもの　心やさしき　白たへの　うさぎ安まる　奥津城ところ　可奈子

サア、そろそろ列車が来ます。ホームへ行きませう。

荒砥駅行きの車両が来ました。YR883です。

座席はボックス席でした。一人で占領しました。

北へ西へと向かふ列車、車窓には青々とた小さな山と田んぼが広がります。間もなく、おりはた駅です。

西大塚駅が近づいてきました。景色をただ眺めてゐるだけで落ち着きます。スマホ、本を手放して列車で外を眺める。それだけで心の洗濯ができるやうに感じます。

最上川を渡ります。間もなく西大塚駅です。

米坂線に接続する今泉駅を出て再び川を渡ります。そろそろ時庭駅です。

時庭駅に着きました。花壇が整備されて、ぬくぬくな駅です。

長井駅に着きました。玉川、ここで降ります。なほ、長井駅は長井市役所と一体化したとても珍しい駅です。

新庁舎が完成しました！|長井市ホームページ

ここで折り返して赤湯駅に帰ります。次はYR888です。

南長井駅を出てしばらく行くと、地方らしい落ち着いた車窓が見えてきます。

前面展望はこんな感じです。間もなく、時庭駅に着きます。

西大塚駅の駅舎、木造の素敵な駅舎です。楽しいフラワー長井線の旅を全線ではありませんが満喫できました。

再び赤湯駅に戻り、すぐの接続でつばさ144号に乗ります。なほ、新型のE8系です。玉川、初めて乗ります。実は、これに乗るために長井駅で折り返したのでした。

新しいだけあつて、座席も綺麗でした。通路側の席に座り、すぐに寝てしまひました。

　最後までお読みいただき、ありがたうございました。