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生産性を捨て、書を読もう!「時間不足」を解決する小説の力に、スパークした話。
時間がない。
やることいっぱい。
やってもやっても、終わらん。
「ああああ、やりたいことなんて、一生できる気がせん!!!」
そうやってぐちぐち言ってると「時間はつくるものだ」なんてもっともらしいことを言われたりして。
自分自身の生産性を上げねば!成長せねば!スキルアップせねば!
ねばねばネバー!
そんな中で面白い解決法に出会った。
●小説を読むといいらしい。
なんと!!??
大好きな小説、読んで、いいんですか!?
どういうこと?
すっごい逆説的じゃないっすか??
ただでさえ時間がないのに、さらに何かの役に立つのかよう分からん文学に触れるなんて、時間のムダムダ……と悪魔がささやく。
しかし、私にとって、大好きな本の世界。
小説たちとの最初の別れは、高校受験が迫ってくるころだった。参考書という新しい恋人ができ、私の時間は「役に立つこと」で埋められていった。
なぜなら「小説は受験に役に立たない」と思っていたから。小説読む時間があるなら、参考書を読むべきだ!と。
それは大学受験まで続き、大学にあがってからは、参考書に代わって、自己啓発本、つまり自分のスキルアップとか、考え方とか哲学とか鍛える本が新しい恋人になった。
つまりこれも「自分に役立つもの」。
人生の役に立たないものに、自分の時間を割かない。
いつの間にかそんなツマラネー時間の使い方をする、ツマラネー大人になっていたし、でも読書は好きだから紙の本からkindleにして、家事育児の合間に渇望するように読んでいた。
愛しき、本たち。
しかし、時間がナイナイと嘆いていた私が出会ったこの本「YOUR TIME」には衝撃的事実が記されていました。
●「いつも時間に追われている」「時間が足りない」のは、時間の効率化にこだわりすぎているから
いろんな研究の結果、どんなに生産性にこだわっても、「時間がない!」と感じる人は増え続けてるし、なのに自由時間は増えも減りもしてないとのこと。
この原因は
「短い時間で最高の成果を残そうとしたり、無駄なタスクを消そうとしたり、作業スピードの最適化を試みたりと、生産性にこだわる態度こそが問題の根源なのだ
ほほう・・・・???!!!
過去50年で仕事時間は増えていないと言う調査が出てて、なのに「時間はない」と言う感情が増えていると言うことは、
「時間を無駄に使うのが怖い!」という恐怖さん、
「もっと効率化せねば!!」という焦りさんが、わたしたちを「時間がない」と思わせている。
そしてその感情が、
▶︎モチベを下げ、
▶︎生産性を下げ、
▶︎時間のプレッシャーがストレスになり、
▶︎脳への負荷となり、
▶︎それが心と体のバランスを崩し、
▶︎ネガティブ思考にもさせてるとのこと!
へええ!
だから根本的に「時間不足」を解決するには、小手先の時間術ではなくて、「時間についての『体質』を改善することなのだ。。。
これ、個人的に開眼ものでした。
●時間についての体質を改善するためには、どうしたらいいのか?
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じゃあ、どうしたらええんじゃい。
生産性を上げることによって生まれる焦りや恐怖が、「時間不足」や「結果的に生産性低下という状況」を生んでいるとしたら、この焦りや恐怖から解放されることがポイントと分かった!
本書では3つ紹介されてました。
1つは、生きがいチャートを作ること。
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詳細は本に譲りますが、生きがいチャートなるものを作ることによって
・時間を忘れさせてくれ、
・重要なことの判断がつく
とのことです。
それは、生産性向上や効率化によって生まれる負の感情から解放されることですよね。
ちなみに生きがいの感覚が強い人ほど
・ストレスに強い
・免疫システムが強い
・寿命が長い
・人生の幸福度も高い
と、いいことずくめ!!!
すげええ!
いますぐ、いますぐ生きがいチャート作ろう!!
そして、2つ目に挙げられていたのが
●文学に親しむ
でした。
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ここで来た!!!
まさかの文学???
現代人は、効率や生産性が上がったことで、忍耐力が失われた、と言われています。これは「認知の耐性」とも言い、「明確な答えをすぐ求めずに、あいまいさを放置できる能力のこと」。
例えばそれは、昔に比べて分厚い本を読み通せなくなったとか、長い動画を観る気が湧かなくなったとか、tiktokやショート動画をどんどん見ちゃうせっかちさ、みたいなもので
しかしその「認知の耐性」が低い人ほど、
・深い思考ができない
・創造性が低い
・メンタルを病みやすい
とシンシナティ大学などのレビューで報告されているとのこと。
認知の耐性を高めることが、時間に対する体質改善につながる。
そして、その策として
小説を読むことで、認知の耐性が上がったという研究結果があったのです!
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できれば結末がはっきりした娯楽作品よりは、簡単に答えが出せない作品がいいとのこと。良質な文学ほど、簡単な答えを出さず、読み手に複数の解釈を許す作品が多いので、そういうのを読もうね、てこと。
しかも、これ、オーディオブックでも効果あるらしく!
その瞬間、
私の目の前がスパーク!!!
今まで車の運転時間に学び系の音声サービスを聞いてたけど、この時間こそ、至福の小説タイムにできるなんて・・・・!!!(うっとり)
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「勉強する時間がないから、移動時間で勉強しよう!!!インプットしよう!」と意識高い系でがんばってたけど、堂々と好きなこと、楽しんでええんやね、、、、(涙)
え。
いや、ごめん。
結局これも、小説を読む(実際は聴く)と言う行為が役にたつから、やると言う、悲しきかな私の現実で、「小説を読む、大義名分ができた」とばかりに、堂々と喜んでエンタメを楽しむのもどうかと思うけど、すまん…(モゴモゴ)
我ながら、誰からもこうしろとか、監視とかされてないのに、好きなことできてないってどう言うこっちゃですが(笑)
役立つことばかりが優先される社会で、「どうやってエンタメが社会の役に立てるのか?」「どうやって社会と接点を持つのか」をずっと考えてた私にとっても、じっくりもう一つの世界を展開してゆく最高のエンタメ・小説が、人間の時間感覚を解放する扉を開く可能性があることに、喜びを感じたのでした。
●そうして私は、移動したくなった
さて、そんなこんなで私の小説生活がまた再開した。
小説に触れるのは、車の運転中だけ。
オーディブルで聴くのみだが、もはや続きが気になりすぎて運転したくて仕方ない。
そして耳で聴く小説の世界の芳醇さに、またうっとり浸るのである。
この感覚…どこかで体験したことがある。
そうだ。
絵本の読み聞かせだ!!!!
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小さな頃、夜、お母さんがいつも絵本を読んでくれた。
大好きな人の声と、ワクワクする言葉に浸りながら、この世を離れていく感覚。じわりと世界に包まれていく、心地よさ。
子育て関連の話で、さんざん
「こどもに絵本の読み聞かせをしましょう」と言われる。
それにはいろんな効果があるんだろうけど、この認知の耐性というのも、あるんだろうなぁ。
もう36歳にもなって、私はオーディブルさんに、読み聞かせ、してもらってますわ!!!ありがとう!!!
さぁ、生産性を捨て、書を読もう!笑
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