ただの商品に「温度」を乗せる方法を考える
おはようございます!
今読んでいる「人生後半の戦略書」という本が、なかなかグサリと来るものも多く面白くてハマっているかなやんです。
今日は、変化を楽しむストーリーというテーマで話したいと思います。
wofaがやりたいことのお話です。
「ゆらぎ」で苦しむよりも、「ゆらぎ」を共有する
農業は、自分がどんなに頑張っても、気候(雨がすごく多かったとか、全然降らなかったとか含め) 気候のブレによって品質も多少変わります。
それは生産者さんがどんなに努力してもコントロールできない部分です。それを本当に痛感したのは去年で、渇水の年でした。
そういう年にできるサツマイモってどういう味かというと、少し粉っぽく、水分が少ないので白いものが多かったです。あとは乾燥しても 糖化しがしきれてないので、時間が経つと発酵しやすいというのもありました。
乾燥しても蜜がぎゅっと固まる感じにならないのです。
そんなわけで、収量も少なく、規格外も多く、完成品であったとしてもねっとり甘いものが少ないという、地獄的で苦しい1年でした。
そんな毎年の気象状況などの影響で起きる変化を私たちは「ゆらぎ」と呼んでいるんですが、農産物においては「ゆらぎ」があるのが当たり前だと私は思ってます。
もちろん生産者として、毎年最高の品質を作ることに全精力を注ぎますが、それには限界がある、ということです。
工場の建物の中で生産しているものでない以上、毎年同じ数、同じ品質、同じものが判を押したように毎年届くというのは本当にありえない。
でも割と一般の消費者や事業者含め、そう思っていることが多く、そしてそれを求められることが多く、また、ゆらぎによって価格が上下するため、そこに農業者の収入が安定しない苦しみが凝縮されているようにも思います。
ちなみに、変数は自然環境だけじゃないと思っています。
農業に従事する生産者さんたちも、毎年技術がちょっとずつ向上したり、または変化に応じてその時々で仮説を立て、チャレンジや試行錯誤をしている人もいるので、「人の技術」という変数もそこに重なっていたりします。
すごいことですね。
変化に対するチャレンジを続けている「ひと」の手によってできている、というのはそういうことで、
その「ゆらぎ」や「変化」というのを、本当ならばワインのように楽しんでもらえたらいいなというのが結構私にはあります。
ボジョレーヌーボーをはじめ、その年、その時のワインの特徴を味わう行為って、ワインに対して「生き物である」という前提があるようですし、そのワインの裏側にあるストーリーを感じ、読み解き、想像力を働かす行為が文化としてあるんだと思うんです。
そういうコミュニケーションが栽培者とお客様とでできる関係性、つまりともに想像力を働かせてコミュニケーションをができて、共にその「ゆらぎ」や「変化」を楽しむような関係性を、お客様とも取引先さんとも作りたいなと、かなり思いますし、今の農業にはそれが必要です。
「ゆらぎ」を共有するには、「ひと」と「ストーリー」が見えなければならない
ではそのために、私たちが今できることってなんだろうなと考えた時に、第一歩としては、商品である干し芋に、誰が栽培したものかを分かるように明示することかな、と思いました。
そうすることで、wofaの生産組合に所属しているすごく素敵な生産者さんたちのそれぞれのストーリーや成長や変化をお伝えしたり、共有したり、応援し合ったりっていう関係性を作れるんじゃないのかなと思うんですね。
wofaではすでに生産者さんごとにサツマイモを集荷し、生産者さんごとに加工し、 袋詰めをしてて、トレーサビリティは意外とできている。
だからこそ、その最後の完成品としての商品まで顔が見えるようにするには、袋ごとの干し芋に生産者さんごとの屋号だか家紋だか、名前などなどを印字(焼印)するか、袋にその生産者さんだと分かるような記号やシール、名前を貼るか、どうやって届けるのがいいかなーーーというのを(かなこが裏で)考えてるのが、いま現時点です。
そうすることで、ただの商品に人の体温があるストーリーをちゃんと乗せてあげたい。ストーリーがあると愛、親近感が生まれると思うので、できれば 今年収穫の芋から、少しずつでも、形にできたらいいなーと思ってます。
もし形になってどこかで商品をお見かけしたら「お、こんな形になったのね!」と見てもらえれば幸いです!