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伝えたいものは、一本矢でぶっさすのだ /「光のとこにいてね」から学ぶ【感動探求】
まぶしい。
起伏はあるものの、全体として初夏の天気雨みたいな、心地いいものを感じる小説「光のとこにいてね」。
これは二人の少女が交錯していくお話。
すれ違い、また出会い、そしてまたすれ違い。
みずみずしさがずーっと物語を覆っていて、最後もキラキラひかる水面が目に浮かび、「えっ、ここで終わるん!?」て疾走感あるところで終わるんだけど、この疾走感がその後のふたりを予感させる。
2023年本屋大賞3位の作品です。
●「みずみずしい」はどこから来る?
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一貫して、みずみずしい。
そうやって感じるこの感覚は、なぜ、どこから、来るんだろうなぁと考えたときに、場面ごとに出てくるモチーフがそれぞれ印象的だったことに気づく。
それらが素敵なインパクトを与えてくれてて、ひとつひとつの印象たちが点となり、すべてを包み込む雰囲気を作っていたなぁと読み終わった余韻の中で感じた。
例えば、しょっぱなだと
団地の湿気、からの、真っ赤な鮮血の鮮やかさ。
ひかりのところ。
カノンと虹。
別れの雨。喪服の雨。
そしてラストの海。ひかり。疾走。
……ん?🤔
ああ、そうか、
印象的なものたち全てが液体(またはそれ由来の気体とか蒸気的なもの)だから、みずみずしく感じてるのか!!?
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印象的に感じたモチーフそのままの質感が、そのまま小説全体に感じるイメージの感覚になってたと気付く。
例えば悲しいシーンは雨を降らせるとか、不吉な場面には曇天になるとか、感情を効果的に伝えるいろんな演出の方法がある。
この演出の仕方って、マジカルバナナ的だ!!!
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連想ゲームのように
悲しいと言ったら涙、涙と言ったら液体、液体と言ったら雨……みたいな感じで、連想ゲームで繋がるようなものは、読者にもイメージとしてより伝わるのでは。
で、「光のとこにいてね」の場合はですよ。
●ところどころに配置されては登場する印象的なモチーフたち
●それら点が繋がって伝わる全体の印象
●少女2人のありよう
が、一本矢でしっかりブッ刺され、合致していたから、読んでいても作品と読感がピタリとはまってる感じがするのかなぁ。
と納得したのです。
比喩が上手な人は、連想ゲームが上手な人なんだろうな。
では「感動探求」のお時間です!
これを、自分の表現や仕事にどう転用し、活かすことができるか?
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①事前に決めた作品の「トンマナ」を表すモチーフたちを、マイルストーン的に置いていく
順番はこうかなと。
▶︎小説や作品を通じて、どんな感情、どんな感覚を伝えたいかを決める。
▶︎それから連想される質感、イメージ、色、モチーフを決める。
何かをブランディングするとき、デザインするときには、伝えたいものを的確に表現するための「トンマナ」を設定しますが、そのイメージ。
そして、それらはすべて、ちゃんと一本矢でブッ刺せれるか(つまりすべて同じトーンか、共通点があるかなど)、チェック。
▶︎展開ごとにマイルストーン的に、それらを置いて書いてみる。
というやり方を一回してみてもいいかも。
勢いでブワアアと書く人には転用できないけれど、論理的に下から積み上げてくような書き方をしてく人にはいいのかも!
私も今度、やってみよー。
「なにかを伝えたい」と思う感情から始まるのは、商品開発も、小説も、マンガも同じ。
それをどう伝えるかは、確かにブランディングやデザイン的視点が役に立つのかもなぁ。
②連想ゲームに強くなるには、見る数、体験の数、視点の数を意識的に増やすしかない
最近「THINK BIGGER」がめちゃおもろかった。
最高の発想はどのように生まれるのか?どんなロードマップで課題を解決していくのか、を科学的に解明し、論理的に型を示したもので、すごく面白かったし、参考になった。
その中で
「すべての行為は、記憶の行為である」とあるように、記憶の組み合わせからしか新しいものは生まれてこない。
ここでは意識的に、意図して、視点と出会ってくステップが体系化されて示されているんだけど、
比喩を書くときのように、連想ゲームに強くなるにはやはり意識的に「記憶」となる体験を積み重ねてくしかないのかな、と。
自分にどんどん新しいハプニングを起こしてく。
というわけで、今日も新しきに出会う、素敵な1日にしましょう!
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