2024.9月読書記録「村上春樹祭りな9月であった」
9月は仕事モリモリだったので、ビジネス書少なめ、小説多め、しかも村上春樹さん多めな月でした。
実は何気に村上春樹さんの小説は「ノルウェイの森」しか読んだことがなかったので、改めてこの歳になって読んでみると独特のリズムや肌馴染み感が心地よかったりしました。不思議なものですね。
では、9月の読書記録です。
1.『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』井上新八/ディスカヴァー・トゥエンティワン
1ブロックごとが短くとても読みやすいし、分かりやすい。「毎日やると決めること」「意味とか効果とか考えず、まず始める、まずやること」って結構当たり前だけど、めちゃめちゃ効果がある。そして「続けた」ものが「好き」になる、というのもハッとさせられた。
2.『RESET[リセット] 新しい自分を「再起動」する方法』井上裕之/PHP研究所
「リセットするとは、頭と心を一致させること」という著者の定義が新鮮だった。そして、変わりたいのに変われないのは、心が戻ってしまうから、それは潜在意識がそう望んでるから、みたいな感じでした。
最近読んだ脳科学と本とリンクする部分も多くて、復習できた気持ち。
3.『やりたいことが絶対見つかる神ふせん』坂下仁/ダイヤモンド社
この本自体は「やりたいことを見つける」ことがテーマにあるけど、その実はふせんという最強ツールを使いこなして、日々の感動、気づき、価値観をしっかりキャッチし、仕事や人生に還元してく方法と効果が丁寧に書かれていて、とても刺激的だった。早速仕事に活用してる。めっちゃ良き。
4.『存在のすべてを』塩田武士
2024年本屋大賞3位の小説。結構ボリュームがあって、登場人物が多くて、視点も門田さんと里穂さんと切り替わり、しかも主語は神の視点で書かれていること、そのせいかちょっと説明的な部分が多かったので、個人的には読み終えるまで久しぶりにエネルギーがいった本。
とはいえ写実絵画にはとても興味が湧き、たまたま行った千葉に日本初の写実絵画専門美術館「ホキ美術館」があるということで足を運んだ。
実態のないものが増えるこの時代に「存在」に膨大な時間をかけて向き合う。1年に1枚か数枚しか描けないのが写実絵画。画家がそこまでして描きたかったものは、向き合いたいと思ったものは、そしてそこに本当に存在するそれは一体。
カメラが存在するこの世界で、写実絵画の存在意義、みたいなものってなんだろうと思っていたので、すごく興味深い出会いだったし好奇心をくすぐられた。
ちなみにホキ美術館は建築も内部もレストランも最高!
5.『走ることについて語るときに僕の語ること』村上春樹/文藝春秋
「騎士団長殺し」を読んだあとに、このエッセイをお勧めしてもらった。村上さん、めちゃめちゃランナー小説家だったんだな…「空白を獲得するために走っている」というマインド、すごく共感できる。
ランナーであることが小説家である彼のパーソナリティの一つにもなっているし、ランナーであることが彼を小説家たらしめている部分もあってすごく刺激受けた。
6.『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦 王様ランキングがバズるまで』十日草輔/イースト・プレス
確か「続ける思考」に載ってて、そのまま読んでみた本。
ただぼーっと続けるのではなくて、そこには勇気や分析やたくさんの小さな挑戦があって、グリッドし続けている姿が印象的。
7.『世界で最後の花』ジェームズ・サーバー/ポプラ社
村上春樹さんのエッセイを読んだあとにふと、私の本棚に昔購入したこちらがあり「あっ、これ村上春樹さん翻訳か。しかもまだ読んでなかった(汗)」と気づいて読んだ。ウクライナ戦争真っ只中のときに販売されてて購入。
繰り返していく戦争。でも読み終わって、自分の会社も顧みながら感じたこと。人間が唯一できることは、対話だなと。
8.『風の歌を聴け』村上春樹/講談社
村上春樹さんの足跡的なものを辿ってみたいと思い、処女作から。これが処女作!?独特の世界観、リズム、いろんな文化的要素。書き手の、のびのびした自由さを感じる。Feel free to writeというのをよく見聞きするけど、まさにこういうことかと体感した。
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風にして生きている」
9月のベスト1
9月のベスト1は、私の好奇心読書欲を刺激したこちら「走ることについて語るときに僕の語ること」(村上春樹著)です!
村上さんのエッセイを読んでから、彼をもっと知りたくなって彼の著書を辿っています。村上春樹さんの小説が大好きな人たちの気持ちが今まではよく分からなかったし、その良さも分からなかったけれど、なんでしょう、自由なところが好きです。
肩の力を抜いて、性や文化や音楽や生き死にについて軽やかに書いているところに、自由さを感じる。池井戸潤さんみたいな、THEど真ん中のエンタメ小説を書いている訳ではないので、興奮するような面白さではないけれど、「文学を嗜む俺」になりたいときに、たくさん扉を開いてくれる面白さ。
10月もたくさん読むぞ〜!