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あなたは何を信じて生きるのか

「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。」
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

「サラバ!」西加奈子著より

昨年ごろから、私のテーマは「正直に生きる」だった。

自分の人生の旅を通して、どんな学びを深めたいのかを考えたら、正直に生きることだった。たぶんそれは継続していて、今年はそれが「正直に生きることを、実践する」かもしれない。

正直に生きること、それに勇気を持つこと。
そして、その結果、風のように生きること。


言うは易しで、私にとってはとても難しいことだった。

勉強でも、習い事でも、今まで誰からも何かを強制されたことはなかったはずだった。唯一、嫌だと思っていたのは、学校くらいだ。他者から決められた時間割の通りに1日を過ごすのが、本当に嫌だった。


とはいえ、自分のやりたいことをして、自由に奔放に生きてきたように思う。なのに、これは私の意思ではなくて、他者から見た自分、の意思だったのでは、と気づくようになった。

その時、その時の私は、確かに正直だったかもしれない。
でも、本当に、本当にやりたいことや、好きだったことに対しては、それらが私にとって大切なものすぎて、いや、他者と比較した優秀でありたかった自分のプライドが邪魔して、勇気が出ず、結果私が選んでいたのは、勝てる戦いか、社会にとって良さそうなこと(褒められそうなこと)を選んできた。

自分と他者(でもこれって誰やねん。本当はそれは存在しない)に勝手に忖度してだ。

正直に生きることは、私にとっては自分を愛することにも繋がっていたし、自分自身の声を聞くことにも繋がっていた。でも、それができない。


そんなことに気づいたのは、自分自身を「わたしの大切な友人」と、客観的に見るようになってからだ。これ、メタ認知っていうのかな?

去年は年明けからずっと、力が出ないことにずっと悩んでいた。それは一昨年、突然あらわれた突発性難聴、その入院から始まった戦いの延長戦に、まだバットを振り続けているようなもんで。


突発性難聴で入院してから「自分の体は大切な資本だ!」と、いかに自分の体調をベストコンディションに保っていくかを結構勉強した。
この辺りの本は面白かった。

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それに影響を受けて、しっかり腸活を始めたり、ヨガしたり、サプリ増えたり、自分の体に意識的になったのに、その年度の春には急性胃腸炎でまた入院しちゃったのだ!!!


くそう!!
なんでやねん!!


「なにをやるのか」ではなく「どんな自分でやるのか?」つまり、私の内面が問題なのでは?


そこで、自分と向き合うことがずっと続いた2023年だった。

自分にダメ出しをしていないか。
自分の体を傷つけていないか。
自分の個性を生かそうとしているか。
自分をケアして喜ばせているか。
自分を実力以上に大きく見せようと、していないか。
「かなちゃん」は、いま、どう?


自分自身に対する、無意識の虐待を、やめよう。
「佐藤可奈子」という、人物と、仲良くなりたい。
そう思った。


そんなこんなで1年経っているのだが、
先日読んだ直木賞受賞作品の小説「サラバ!」(西加奈子著)の中で出てきた言葉が、冒頭のものだった。


「あなたはあなたの信じるものを見つけなさい。」


「あなたも、信じるものを見つけなさい。あなただけが信じられるものを。他の誰かと比べてはだめ。もちろん、私とも、家族とも、友達ともよ。あなたはあなたなの。あなたは、あなたでしかないのよ。」

他者の人生を生きている主人公は、姉にそう諭されるのだ。
「自分に正直に生きたい」と思っている私は、まるっきりその主人公そのままだった。誰かの悩みや、誰かの感情を、自分のものにしてしまう。誰かの視点や、こう思ってるだろうを勝手に想像して、自分の行動を制限してしまう。


自分自身を生きるって、難しい。
じゃあ、何を信じる?
自分の、何を信じる?

信じるもの、それは宗教だけではない。
なんでもいい。
小説の中ではそれは、巻貝だったり、ローストビーフだったり、辞書の「救い主」だったり、そして、「サラバ!」だったりする。


それだけを掴んでおけば、大丈夫、と思えるもの。
小説は問いかけてくる。
「あなたは、何を信じるのか?」


小説を読みながら、
私は「自分の言葉だ」と思えた。


自分の中から出てきた言葉。
いつもそれが私自身のお守りになっていた。


それだけを掴んでおけばいい。


でも、その言葉が、嘘の言葉だったらどうだろう?

私は私の言葉を信じているのに、内面と相反するものが外側へ出ていたら?

だから、嘘をつかない。
正直に生きる。
自分の人生に集中する。


私には、誰がなんと言おうとも、世間体や外からの言葉や解釈に揺らがず、自分が決めたことを信じて邁進する「サラバ!」の貴子が、とてもまぶしかった。







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かなやん(佐藤可奈子)
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